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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第2章 生まれたての妖精
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52話 名付けと鱗

ドライアドの名前決定!

正直良いのが浮かびませんでした!


 耐久が1、吹けば飛びそうなぐらいの紙耐久じゃないか?ついでに幸運も4と結構低いんじゃなかろうか。

 なんなら今さっき地面に激突しただけでも逝ってたんじゃ…こっちに曲がって激突してきたから良かったものの、まっすぐ落ちたら貴重な植物系の仲間が出来なかった可能性があるぞ。いやでもあの速度と隕石みたいな見た目は避けたくなるって。

「代わりに知力がレベル1にしてはめっちゃ高いから、魔法を使った避けタンクみたいに戦うって感じなのか?」

 それにしても1は低すぎるだろう。


 しょぼん

 何故か落ち込んだ顔と肩を落としているドライアド。一体どうし…あ、そうか!名前を付けてやらないとな!

「すまんすまん…ステータスは後回しにしよう!だけど名前かぁ…変な名前を付けないようにしないとな」

 他のプレイヤーにも見えるかもしれないし笑われるような名前は避けないと。こいつが可哀そうだしな…バジ郎って名付けるやつが何を言ってるのかと思うかもしれんが――バジ郎の命名は俺じゃなく母さんだ。

「と言っても俺もそんなに名前を付けるのは得意じゃないんだよ」

 何かしらいいものがないもんか。


 そわそわ

 まだかなまだかなと、ゆらゆらと横に揺れながらモルトの周りをくるくる回るドライアド…歩きながらなのに器用な動きをするもんだ。

「急かすなよ~…取り敢えず元ネタっぽいゴジアオイ属で考えてみるか」

 さっき考えたときにも出てきたが、ロックローズって別名もあるからロックとか!…なんかしっくり来ないから違うのにしよう。じゃあ抽出された樹脂がラブダナムって名前だからラダム…いいんだけど絞った物が名前なのはかわいそうな気もする。

「他に何か…確かゴジアオイは学名か何かがキスタスやシスタスって名前だから、シスとか!」


 ぷるぷる

 首を振られた

「ダメか…なら服とかを見ると白に赤紫それにオレンジだから、ラダニフェルって品種が元な気がする…フェル?」

 これ以上考えようとすると、また品種名から考えなくちゃいかんな…柄の元っぽいモンペリエシスツスとか。

 コクコク!

「お、気に入ってくれたか!よし、それならお前の名前はフェルだ!」

<ドライアドの名前をフェルに決定しました>

『んー!』

 ゴォ!


「おおっと!」

 喜びの声とともにこちらに突撃するドライアドのフェルを、今度は転ばないように受け止める。

 ぐりぐりぐり

 革防具の上からフェルが頭を擦り付けているのを感じる。思わず抱きかかえるような形になっちまったけど、改めて見ると小さいなー。

「そんなに名前が嬉しいか…まぁ3年間もあの山で1人だったろうし、少しの間こうさせとくか」

 近所の地域猫たちのぐりぐりに比べたらまだ優しいもんだ…今思えば、シスで頷かれたらシーズと大分被った形になっちまってたよな。再会できた時にいじられただろうから危なかったー。



 山の分かれ道まで戻ってきたところで、試しに魔力の流れを確認してみる…洞窟に続いていた魔力は綺麗さっぱり無くなっており山頂に続いていた細い魔力の線も無くなっていた。洞窟でも時折確認してたけど…これで一件落着?でも、チャコールトレントが残ってるよなー。

「あの細いのは結局何だったんだろうな?壁の中で藻掻いていたときに聞こえた声も気になるし…何かフェルは知らんか?」

 するとフェルが体をよじって抱っこ状態から解除されると一度地面に降り、また魔法で飛び立った後に手をパタパタさせた。

『たぁー!』

「いや、そんな自信満々な顔をされてもわからん…でも、手をパタパタさせてるってことは飛行系のモンスターでも居たのか?」

 コクコク!


 マジか…分かれ道で頂上まで向かってたらそいつと戦う可能性もあったかもしれんな。でも魔力を掠め取ってるようなやつだし、そんな強敵でもなかったのか?

「そういやあの場所で鱗を何枚か拾ってたけど、もしかしてそいつのか?」

 種皮の上で拾った鱗を取り出すと、フェルが近づいてきて指をさした。

『ん!』

「これがそいつの鱗なのね…なんかチュートリアルで拾ったやつに似てるんだよな。小さいけど」

 あっちは手ぐらいのサイズがあったけど、これは手のひらぐらいだから結構大きさが違う…そういや拾った時のログを見忘れたな。ただあの時は避けた後でもロケット頭突きだったから仕方ないか…


『やっ!』

 ぺしん

 モルトが眺めている鱗をフェルが手から奪うと、そのまま地面に叩きつけた…何とも言えない音が響いたが。そういやフェル、筋力低かったな…


「こら!確かにお前の芽生えの邪魔をしていたと言えなくはないけど、偽装壁に比べたら可愛いもんだろ。それに鱗が剝がれてるってことは、洞窟から頂上までの瓦礫を噴出させる時に仕返ししただろうに」

 ひゅーひゅー


 腕を後ろ手に組みながら、何のことだかわからなーいとでも言うように口笛を吹く…空気しか出ていないが。

「全く、こういう鱗とかって肥料に出来たりするから大事なんだぞ」

 まぁあっちは魚鱗だし、混合肥料として使われるって感じだけど…こういう場所にいたんだから火耐性があるファンタジーの鳥とかかな。だとすると角質だから肥料にはできんか?


<ワイバーンの鱗・品質5:下位の竜種であるワイバーンの体を覆う鱗。防具や武器の素材として使われる>


 地面に落ちた鱗を拾うついでに見忘れた名前を確認してみると、そんなことが書かれていた。

 ……竜の鱗も角質なんだろうか。

初の仲間が尖ったステータスのドライアドのフェル…この先どうしようか。


因みにまたややこしいのですが、ゴジアオイ属と近縁なハンニチバナ属もロックローズと呼ばれたりします…因みにどちらも同じハンニチバナ科です。

面白い特性があったりしますが、それはまた追々。


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別れ道をどちらに進んだかで誰と出会うのか変わったって事かな? モルトにとってはこちらが当たりかな?
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