46話 耐性薬と再入山
えーっと…今回で登山予定だったのですが、次回になります!
連続投稿3日目!
一度プロングの家の方向に向かって両手を合わせるモルト。せめて安らかに休んでくれ…
「何してんだい?」
「ちょっとお祈りを…」
「プロングならライフポーションを頭から掛けて既に元気だよ」
あ、そういやすぐに回復できるのか。
「まぁ少し呻いていたけどねぇ…それよりも今はこのバーンベリーを使った薬だよ!まさかこいつが生えているとは思わなかったよ!」
「ウィーツさんも知らなかったんですね」
「まぁキュアベリーの木があそこに自生していたのは知っていたけどね…あそこのは熱にやられて全部枯れちまったかと思ってたのさ。冬の少しでも熱が収まった時期に山に入ってたから気が付かなかったよ…まさか変異していたとはね」
まぁブルーベリーとかってそこまで暑さに強くないもんな…うっ、朝に処理した記憶が。
「旦那はバーンベリーが生えてるのを確認しに行ってるよ。変異種は環境が変わると元に戻っちまうからね」
そんな仕様があるのか、これは栽培の時にかなりの工夫が必要そうだ…ただまぁ
「取り敢えずこの薬の確認をさせて貰いますね」
「鑑定を取ったんだって?耐性系のスキルでもよかったんじゃないかい?」
「まぁ、お蔭でバーンベリーが魔法薬に使えるのがわかったので…それに耐性スキルは取得スキルに無かったんですよ」
「ありゃ、もしかしたらそこは私たちと同じなのかもねぇ。何度もその環境に曝されて慣れていくんだよ…後は装備で何とかするしかないね!」
予想が当たってしまったか…毒耐性とか嫌だな。アジサイの葉とかで取得できないだろうか?でもあれもそれなりに強いからなぁ。
「大丈夫かい?なにか耽ってるみたいだけど」
「あ、ちょっと耐性について考えてました…早速この薬について調べてみますね」
今はあの山に対抗できる薬が出来てるか確認する方が大事だよな!
【熱耐性薬・品質6:3時間半の間、1500度までの熱に耐えることができる耐性薬。飲用可:じわじわと辛味が来る】
「ちゃんと熱耐性がある薬になってる!しかも1500度ってかなり良い気がします!」
確か山火事で1000度を超えるのって樹冠火災とかだよな…正しく今のフェニス山と似たような感じだけど、そこまで熱かったらあの時即リスポンしていたような気がするしもう少し低いのかもしれない。
「へぇ、その薬でそこまで耐えられるのかい…ならこいつは必要ないかもしれないね」
そう言って取り出したのは1本の真っ赤な液体の入った瓶…一切の透明さがない!
【濃縮熱耐性薬・品質8:9時間の間、5000度までの熱に耐えることのできる濃縮された耐性薬。飲用…可?:辛いというよりは痛い】
うわぁ、なんかすごいのが出てきてしまったぞ。
耐性薬――1本どちらかというと劇薬――を受け取ったモルトは、再びフェニス山に向かうため山側の村の出口にいた。
「プロングさんも無事に作ってくれたし、これで安心して登山が出来るぞ…ただ問題があるとすれば、この薬は飲まなくちゃいけないってところか」
そう、ウィーツが聞いてきたところによるとバーンベリーを利用した耐性薬は飲むことで効果を発揮するタイプの薬なのだそうだ…濃縮の方痛いって書いてあったんだけど?
「と、取り敢えずポーションベルトにはライフポーションと普通の耐性薬に虎の子として濃縮薬を登録しておこう」
ポーションって水薬って意味だから耐性薬も登録できるんだろうか…ちょっと形は違うけど口の大きさが同じだから登録できるだけかもしれんな。おかげで間違って赤い方を飲むことはなさそうだけど。
さて準備もできたし出発するかといった所で、山側から向かってくる2人の影。
「おやモルト殿」
「あ、フォルクさん。バーンベリーの確認をしに行ったって聞きましたけど」
「ええ、今しがた終えたところです。まさかあの場所のキュアベリーが変異していたとは驚きでしたよ」
「俺だって最初は疑ったぜ?だがあの量を出されちゃ茂みがあるのは確定だわな」
「そこまで出して頂いたので?」
「いや、まだまだマジックバッグには有りますけど…それよりもプロングさん」
「なんだ?」
「頭の赤みが引いていないと言いますか…うっすら残ってません?」
またポーションをぶっかけたという話なのに何とも言えない残り方をしている。
「あー…ウィーツの野郎が強くデコピンしてきやがってな。ライフポーション1本じゃ治らなくてな」
「ならもう1本使えば」
「そこをウィーツが止めたそうでして。戒めとしてしばらくそうしておく様にと取り上げたそうです」
「えぇ…」
「俺も流石に興奮しすぎたと思ってな、少しの間このままにしておくつもりだ!」
復活のタコ頭…もしかしてライフポーションが10本あったのってそういう理由もあったりするのか?
「じゃあ治すときにはこれを…」
モルトは先ほど受け取ったライフポーションを差し出したが
「いや、それは元々お前さんに渡す予定の物だったからそのまま持っていきな。家でまた錬金すりゃいい話だ…後、ここに来た理由はもう一つあってな」
一体何だろうか?
「その耐性薬がきちんと作用するか気になってな!久しぶりの変異種を使った錬金だったもんで心配でな」
「なるほど…入り口前で使うつもりだったんですけど、ここで使っちゃいますか?」
「いえ、それならば私たちも付いていきましょう…ウィーツ!貴女も来るでしょう?」
「んぇ?ウィーツさんは何処にも…」
スッとモルトの背後に忍びよる影
「そりゃ勿論さ!」
「うぉ!?」
さっきまで居なかったはずなのに!
「ずっと家の裏伝いについて来ていたみたいだぜ?」
「正解!モルトはもう少し気配に敏感にならなくっちゃねぇ!」
この体格でずっとついて来られてたのか…気配感知スキルってあったかな?
「まだノービスである今のモルト殿には酷なことを言うんじゃありませんよ」
「そうかい?ゴブリンを100体連続で狩ったんだからそれぐらいはできると思ったんだけど」
「ゴブリンを100体だぁ?お前さん一体何やらかしたんだ」
「あー…色々ありまして」
どうやら山までは知り合った人たちと騒がしく向かうことになりそうだ。
さぁ行くぞ!というよりはガヤガヤ行くのがモルトらしいかと思い、こうなりました。
せめて13万文字ぐらいで1章を終わらせたいが大丈夫だろうか…あと1万字ぐらいしかないぞ私よ。
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