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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第1章 豊穣の村
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41話 3つ目と再びの雑貨屋

ダジャレです、はい。

昨日に引き続き投稿です!

 あまりの熱さに急いで戻ってきたが、ステータスを確認するとHPが減っているのに気が付いた。

「そりゃ減るよなぁ…にしても何で山に入ったとたんにあんなに気温が上がったんだ?」

 確かに入ったときに<フェニス山に移動しました>って表示が出たと思ったら一気に熱くなったから、関係しているとしたらそこだよな…エリア内だけバカ熱くて外の熱は漏れ出ているだけだったとはな。


「はぁ~…あれはどうやって対策すればいいんだか。ウィーツさんとかは入れてたみたいだけど、耐熱の装備とかでも持っていたのかね?」

 そうなると現状の俺じゃあ無理だぞ…どうしたもんか。

「よし、取り敢えずそこのキュアベリーみたいなのを観察して落ち着くか!」

 なぜそうなるのか、コレガワカラナイ。


 下の服が張り付くような感じが気持ち悪いな…これ脱いで洗ったりできるのかな?

 そう思いながら顔の汗をぬぐい、キュアベリーらしき茂みにある鮮やかな赤色の実を生らせている低木に近づくモルト。

「う~ん…チュートリアルや雑貨屋でも見たけど、やっぱりどれが元なのかよくわからん。ブルーベリーに似たのってかなりあるからなぁ、葉の大きさとかから分かりそうだけどスノキ属ってかなり種類があるし…キュアベリーみたいに熟しても薄い水色ってのはないけど」

 ただ大体の実が夏から秋が収穫の時期だから、もしかしてこれで熟しているのか?試しに調べてみるか。


【バーンベリー:長期間熱にさらされた事によって耐性を得たキュアベリーの突然変異種。食用可:香りはキュアベリーだが、割と辛い】


「おおう、まさかの変種か…バーンって確か燃えるとかって意味だからこの色で熟してそうだな。――そんで、もしかしたらこれ使えるんじゃないか?」

 熱の耐性を得たって書かれてるから、これを錬金で薬とかに出来たら登山中にHPが減るのを防げるんじゃ…ただ魔法薬に使うってのが書かれてないな?突然変異だから余計に知られてないとかかもな。


「できることならちゃんと使えるかも知りたいんだけど…そうだ!」

 ステータスの取得可能スキル欄を開き、鑑定をタップする――何故か消費ポイントが2ポイントに減っていたのだ。


<スキルポイントを消費し、鑑定を取得しました>


「これでよし!もしかしたら龍眼の時にポイントが減っていたのかもな…確認不足だったぜ!」

 そして龍化の方が良かったとか思ってすみませんでした龍眼さん…考えてみたら鑑定内容でめっちゃ助かってます!

「さぁ、これで何か増えてくれてるといいんだが」


【バーンベリー・品質3:長期間熱にさらされた事によって耐性を得たキュアベリーの突然変異種で魔法薬に使うことが可能。食用可:香りはキュアベリーだが、割と辛い】


「おお!ちゃんと魔法薬って書いてある!」

 可能ってことは本当にあんまり知られていないのかな?そして品質要素が増えたぞ…これは育てるときに腕が鳴るな!

 早速バーンベリーの採取を始めるモルト。ふと辛いって書いていたけれども、キュアベリーは甘酸っぱいとか書いてあったんだからそこまでなのかと、1粒口に含んでみた。


「おー、ちゃんとブルーベリーに近い香りが…辛っ!」

 ちゃんと鑑定結果には従いましょう。




 取り敢えず村に戻ってきて、錬金が出来そうな場所といったらと思い雑貨屋に向かうことにした…村民の皆さんはやっぱ熱かったろ!と笑いながら迎えてくれた。まずは体験させようとしたのね…まぁそのお陰でバーンベリーが見つかったようなものだけど。


「困ったことに耐性系のスキルは取得できないんだよなー」

 長時間熱にさらされるとか、あえて毒を受けるとかして耐性を付けるしかないのかね?後はそういう効果の付いた防具を用意するとか。

「まぁ今回はヤクで解決ってわけだな!」

 安心してください、合法ですよ。


 耕されていく畑を眺めながら雑貨屋に向かっていく…あの時フォルクさんも使っていたけど、村の中でも畑なら問題ないのかみんな魔法だったりスキルを使ってどんどん畑の土が見えていくなぁ――一番早いのはフォルクさんとウィーツさんの畑だけど。

 イタドリやウマゴヤシ達は根から空中に抜かれて一か所に纏められていたし、少し崩れていた畝が家のリビングにあったデカい耕作鍬の一振りで綺麗に一列無くなっていた…どうなってんだあれ。あとそれ耕作鍬である必要あるんですかね?そして俺もそれ出来るようになるのか?

「うん、深くは考えないようにしよう!今は熱耐性が出来る薬を作れるか確認する方が大事だ!」


 コンコンコン!と雑貨屋のドアを叩き中に入っていくと、丁度ポーションの陳列をしているプロングがいた

「こんにちは!さっき振りですー」

「おう、ライフポーションならもう出来てるぜ…その様子じゃあ一度山に入ったみたいだな?」

「あははは…良くお分かりで」

「髪が乱れってっからな。大方熱すぎて走ったんだろ?」

 正にその通りである。


「そんでいくつライフポーションが必要なんだ?」

「使い切ってしまったのでまた5つ程お願いできますか?あと、これがポーションとかに出来ないかなって相談もしたくて」

「おいおいもう使い切ったのか…流石に早すぎるだろ。そんでポーションに出来ないかだって?いったい何を――」

 バーンベリーを見た瞬間ビクッと稲妻が走ったように震え固まったプロング、一体どうしたんだ?


「お、お前…一体どこでそれを?」

「これですか?山の麓に生えてましたけど」

「山の麓…ちょ、ちょっとそいつを1粒渡してくれ!」

「あ、はい」

 興奮しプルプル震えた様子でバーンベリーを1粒受け取ったかと思うと、大きく開いた両目を集中させ右手の中でコロコロ転がす実の全体を確認し始めた。


「こ、こいつは…見た目はそっくりだが気候が穏やかなこの地域で生えてるわけが…だが今のフェニスの麓ならあり得るのか?…ええい!」

 そう叫ぶと、転がしていた1粒を口に含みプチっと噛んだ。

「……このキュアベリーの香りに予想外の辛みを持った味。そしてあの赤色の実…ま、間違いねぇ!バーンベリーだな!?」

 少し俯き眼を閉じて長く味わったかと思うと、グワっと顔を上げ爛々と目を開きながらこちらに近づいてきた。


「そ、そうです…鑑定結果に魔法薬に使えるって書いてあったので、ここに持ってきました」

「こいつが魔法薬に使えるなんて簡易鑑定で解るわけが――鑑定結果?そうか、鑑定を取得したな!?」

「は、はい」

 めっちゃテンションが上がって詰め寄りが凄いな…俺もこう見られているかもしれないと思うと、今までの行動にちょっと後悔があるな。


 反省はしないようです。

書いておきたかった他の人の暴走が書けて満足!


因みに、日本にはブルーベリーと同じスノキ属の木は20種類近く自生しています。面白いところだと、古事記に「さしぶ」という呼び名で書かれているとされる(本当)シャシャンボってのが生えています。

そんなブルーベリーの別名はアメリカスノキ。まんまアメリカで出来たスノキの仲間って感じですね…ついでにさらに元になった野生起源種の1つと言われるセイヨウスノキってのはビルベリーと呼ばれたりします…以上、オタクの語りコーナーでした!


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