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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第1章 豊穣の村
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39話 伝説と発生

さぁここからは怒涛の進捗に…なるかなぁ?

「いやぁ、すまんすまん!まさかそんなに驚くとは思ってなかったよ!」

「ご無事ですか?一応何処も怪我はされていないようですが」

「ちょっと驚いてこけただけなので大丈夫ですよ…すぐに助けてもらいましたし」

 一先ず一度畑を出て、水魔法で土濡れになった防具達を脱いで洗い流し風魔法で乾かしてもらった。防具なんて仕舞って取り出したらピカピカになるんじゃないかと思ったそこの君!俺もそう思ってやってみたけど出来なかったぜ!なんなら防具の表示に汚れありとか表示されたぞ!


「ゴブリンやチャージラビットの返り血みたいなのは消えるのに、なぜこっちは駄目なんだ…」

「どうかされましたか?」

「ああいや、個人的な話ですんで」

「そうですか…では、忘れていた不死鳥伝説の事をお話ししましょう」

「採取をしたいだろうし手短のほうがいいだろうね!」

「あははは…」

「まぁ、そこまで長い話でもありませんからすぐに終わりますよ」

 本当かな?竜人族講座をされるってのを聞いたから少し不安だ…


 フォルクが話してくれたのは、数百年に一度不死鳥があの山に降り立ち山を燃やしながら新たな体に生まれ変わり、その余波でこの山と周囲の土地は魔力が満ち溢れた土地となり植物や動物が育つ良い土地となったという童話のようなもので、本当に短かった。


「ただ魔力が豊富な土地だったばかりに、ドレイクっていう中位のドラゴンが山の周囲に住み着いちまってね」

「たまたまこの土地を気に入った我々の旅団が、その者を討伐したことの功績でこの村を作ったというわけですな…あの時は説明を省いていて申し訳ありませんでした」

「いやいやいや、部外者の俺にあそこまで話していただいただけでも嬉しかったですって!」

「ですが精霊花の腕輪を所持なされていたのを確認していたというのに」

「山のことを聞いてなかったんでどっちもどっちってことにしましょう!」

 ドラゴン狩った人達のトップに頭を下げられるのが怖いわ!そんで伝説がある山に新参の人たちが村を作れた理由も聞こうと思ったけどそれが省けてラッキーだね!?


 またもや情報の波に攫われそうになりながらも、情報を整理するモルト。

 取り敢えず魔力草が育たなくなった原因はあの山で、あの山は不死鳥伝説のある山で入山が許可制と。そんで村の人たちはドレイク狩りの英雄が何人も混ざってる…俺テキトーに挨拶してたけど大丈夫かな…それに、この人たちが分からなかった不死鳥伝説の山の原因を解決するとかできるのか?


 不安そうな顔をしているモルトを見て、ウィーツとフォルクが目を合わせた…そしてこくりと頷くと、ウィーツが息を吸い込み腕を大きく広げ話し始めた。

「さぁさぁ、魔力を満ち溢れさせた聖なる炎の山が今度は魔力を取り込む魔の焼山になっちまったわけだ!こりゃ一大事だよねぇお前さん?」

「勿論だともウィーツ。元々山が燃えるというのも数日だと書かれているのに、もう3年も燃え続けている…領主様の裁量によって税の猶予はいただけているがそれも半分以上経ってしまった」

 何故か大きな声で芝居のように動きながら話し始める2人。何をしているのかと思っていると、村民が面白い事が始まっていると感じたのかぞろぞろと集まってきた。


「しかし、そんな中1人の異転人がやって来たことによってこの村は大きく変わろうとしている!」

 手を振ってモルトの方に向けるフォルクにそれにつられて向く村民…あ、なんかニヤニヤした顔のプロングさんもやって来たぞ。

「私たちと違ってスキルを選んで取れるってのには驚いたねぇ…しかもその中に魔力視があるってんだからさらに驚きさ!」

 ”魔力視ってなんだ?”

 ”そのまんま魔力が視えるスキルだろ”

 ”つーことはこの周辺の土地の魔力がねぇのも分かんじゃねぇか?”


 ざわざわと話し出す村民たち。どうやら村のことを何とかしようとしている者がいるというのは話していたようだが、魔力視の事は伝えていなかったようだ。


「そして先ほど確認を行ったところ、原因はやはり山にあるのではないかとの結論に至った!」

 ”だよなぁ”

 ”ただ調べても何もわからなかっただろ?”

 ”馬鹿おめぇ、魔力視ってのががありゃ何処に魔力が行ってんのかが丸わかりだろうが”

 ”あ、確かに!”


「そこでだ…あたしらはこの異転人のモルトに調査を依頼しようと思っているのさ!」

「ただその為にはご領主様に入山の伺いがいる…しかし、今回は私の独断で許可をしようと思っている!異論のあるものは居るかね?」

 ”特になーし!”

 ”それによって畑が復活するってんならガンガン入ってくれや!”

 ”ついでに面白い素材があったら持ってきてくれると嬉しいぜ!”

 ”あの代官がやってくるのも嫌だもんねー”

 ”つか団長は緊急時の許可の代行できんだろー”

「そういやそうだったね!」

「余計なことは言わんでもよろしい!きちんとこちらから依頼をしたというのが大事なのですから…それと私のことはせめて村長と呼びなさい!」

 元々やる予定だったけど、それを依頼って形にしてくれてるのか。そして、今の素材を持ってきてくれって言ったの絶対にプロングさんだろ…あと結構大事になってる気がするんだけど。


「では、異転人のモルト殿!」

「はい!」

 反射的に返事をしてしまった。

「貴殿にあの焼山、フェニス山の調査をここに依頼したい!引き受けてもらえるだろうか?」

 そう言いながら、フォルクは依頼の内容が書かれたのであろう紙を取り出した――すると


<条件が揃い、シークレットクエストが解放されました。報酬が変動する1回限りのクエストとなります>


【不死鳥伝説の怪異を解決せよ!:ランク不明】


 なんか出てきたー!

今回のが特殊ってだけで、普通のクエストはもっと簡単に出てきます…


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