37話 影響と取得
今更ですが、このゲーム世界の現地民でゴブリンが好きな人はほぼいません…
ただ、仮にゴブリンをテイムしていたとしても変わった奴だなで済ませられます…愛が過剰な人やそのゴブリンで迷惑行為を働く人を除きますがね。
昨日に引き続き投稿です!
ゲーム世界で2度目の朝食を食べ終わり、食後のノーマ茶を頂きながらレベルが上がった時の話をし始める。
あ、朝食は最高でした…葉赤ネギと卵の炒め物は外はしゃっきり中はトロっとしたネギの触感が箸を進ませたし、長水なすと黒キュウリのピクルスは砂糖は不使用だそうなのに甘みとコクが抜群だった!ただ、ミネストローネに青色のトマトの果肉が混ざってるのはびっくりしたけど…パンも甘みがあって旨かったなぁ。
「成程…ゴブリンも愚かなことをしたものですな」
「あたしもその場に混ざりたかったね!木っ端みじんにしてやりたいよ!」
「ウィーツが暴れたら、ゴブリンなど木っ端みじんではなく本当に粉にするでしょうに」
「うわぁ…」
ドン引いているがモルト自身も的確に首を刈ったり、土交じりのウォーターボールを頭にぶつけて藻掻き苦しませたりと周囲から見たら大概なことをしている。
「まぁそのお陰?でレベルも上がりましたし」
「100体狩りをするとは思いもしなかったけどね!」
「このあたりのゴブリンや他のモンスターは怯えて周囲から逃げ去っているでしょう。私たちからすれば時が経てばチャージラビットや他の野生動物をより見かけるようになるでしょうから、食材確保が楽になって大助かりですよ。奴らはいたずらに罠を仕掛けては鶏や牛などを虐殺しますからな」
鑑定結果にも書いてあったけど、本当に碌なことをしないなゴブリンどもめ…でも、食糧が確保しやすくなったのはいいことだからヨシ!いつか家畜も飼ってみたいなぁ…そのためには土地をどこかで確保しないと…おっとまた思考がそれたな。
「それじゃあ、早速魔力視を取得しますね」
ウィンドウを操作させ、スキル取得欄を表示させる。時間が経ってるからNEW表示がなくなってカテゴリからスクロールして探さなくちゃいけなくなってるな。えーっと…魔力視って魔法系と自己強化系のどっちだ?
「あれ?」
「どうかしたかい?まさかまだ取得できないかい?」
「いや、そこは大丈夫そうなので今取りますね」
なんでこのスキルの取得が楽になっているんだと思いながら、自己強化のカテゴリにて見つけた魔力視のスキルを5ポイント消費して取得する。
<スキルポイントを消費して、魔力視を取得しました>
「…よし!無事覚えられました!」
「異転人ってのはスキルを覚えるときに少し光るんだねぇ」
え、光ってたの?ウィンドウを眺めていたから気が付かなかったわ。
「…素晴らしい!これでこの村の現状を突破することが出来ますぞ!」
眼を大きく開きながら立ち上がり、モルトの両手を掴みそう叫ぶフォルク。
「では、早速あの山まで向かおうではありませんか!」
「あ、いやまだどう使うのか確認できていないので…」
「――そうでしたな、いやぁ畑をどうにか出来ると思ってしまうと気が急いてしまって…申し訳ありません」
「いえいえ、気持ちは分かりますので」
俺もブルーベリーの木がどうにかなるのなら興奮してこうなると思う。
「ありがとうございます…落ち着いたので、張り手を準備しなくても大丈夫ですよウィーツ」
「そうかい?お前さんはこの村と上位の竜人族の時になると落ち着きが無くなるからねぇ…」
「否定は出来んが、このままではモルト殿も一緒に吹っ飛んでしまうだろうに」
未だにフォルクはモルトの手を掴んだままだったので、下手をすればベッドに直行だっただろう。
「…アッハッハッハ!確かに!そうなっていただろうね!」
あっぶねー!
未だにウィーツさんのパワーを体験してないけど、出来ればこのまま過ごしたいです…あまり自信はない。
「取り敢えず魔力の動きが見えるってことらしいんで、魔道具だったりの観察できそうなものってないですかね?」
「それなら家のライトとかがそうだね。まさに代表的な魔道具さ!」
そういや夜に帰ってきた時に何気なくライトのオンオフしていたけど、電気記述が発展していなさそうな世界なのにライトがあるのは変だよな…こんなに身近に魔道具あったのか。
「ん~…特に何も見えないから、パッシブじゃなくてアクティブかな?」
自己強化のカテゴリって結構ごちゃごちゃだからよく分からんのよな。
「まぁ普段から魔力が見えたら不便だろうからね。パッシブだったら街中とかじゃ極彩色に輝いているんじゃないかい?」
それを常時見るのは嫌だな…あまりにもサイケデリックで洗脳されそう。
「じゃあアクティブなことを祈って――魔力視発動!」
すると空中に今まで見えていなかった黄色く光った線のようなものがライトから伸びているのが見え、壁のスイッチに繋がっているのが見えるようになった。
「おお!」
「うまくいったかい!?」
「ええ!ライトとスイッチが線でつながれているのが見えます!」
「ほう?では試しにライトを点灯させてみましょうか」
フォルクが壁側に移動してスイッチでライトを点灯させる。するとスイッチ側から線が膨らみ、その膨らみが一瞬で移動をしてライトまで到達をしてから点灯するのを見ることが出来た…しかも光っているライトの周りにも黄色の靄のようなものが見えている。
「その顔の動きからしてきちんとスキルは発動しているみたいだね」
「はい!これで後は山に調査をしに行くだけですね!」
「その前に、一度畑の方で本当に山に魔力が向かっているかを確認はしておきましょう。モンスターを討伐して魔力の漏れを確認するのでも良いですが、今は不在でしょうから」
「魔道具の魔石は加工されてるから漏れがないらしくてね。お蔭で夜が暗くなくていいけどさ!」
ゴブリンの魔石は空になってたのに魔道具の魔石は空になってなかったのはそんな理由からなのか…あの魔石に魔力を込めてみればすぐに分かりそうだけど、畑には行きたいから黙っとこう!
「そんじゃあたしたちの畑に向かうよ!」
「了解です!」
さぁ次回は畑です…これで本筋というか、とあるものが発生できそうです。
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