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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第1章 豊穣の村
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34話 村長宅とスキル検証

リスポン固定は大事。

昨日に引き続き投稿です!

 再びヘッドギアを装着しMCOへログインすると、最初に村に転移してきた山側の広場に出てきた。

「あれ?確か反対側の門近くでログアウトしたよな?」

 もしかしてリスポーン場所的な場所を設定しないと、ログイン時にここに来てしまうのか?だとしたら家の部屋を借りた意味がないんじゃ…試しに戻ってみるか?


「その前にプロングさんの家を確認しておこう」

えーっと、山側に有って鍛冶場も併設されている家だから…でかい煙突っぽいのが見えるあの家かな?煙が出てるし、今は畑じゃなくて家で作業をしてるみたいだ。


「畑にいるのなら部屋の確認ついでに向かって錬金でも教えてもらおうかと思ったけど、流石に何か作っているのを邪魔する程急いで覚えたいわけじゃないし今度にするか」

恐らく、畑に行ったらログイン中の半分以上は観察で終わるだろう…収穫をしてもいいと言われたらそれ以上に。


「さて、今は13時過ぎか。確認が終わったらまた兎とゴブリン狩りをして、レベル上げないとなー」

 そう呟きながら村の中を歩いていると、時折村人たちから

「頑張れよー!」

「無理はしないでね?」

 等々の励ましの言葉を掛けられるので、その都度返事をしていく。

「もしかして、もう畑のことを何とかしようってのが広がってるのか?」

 そうなるとついでにあの時に担がれていたのも広がってそうな気がするけど…そんなことないよな。


 現実逃避…いやこの場合は仮想逃避だろうか?そんなことを思いながら村長宅もといフォルク・ウィーツ夫妻の家までたどり着いた。

「取り敢えず裏のドアに回ってと…鍵はこっちの小さい方だったよな」

 カチャリと鍵が開き、ドアを押して入った後にまた鍵を掛けておく――姉ちゃんのおかげで鍵の閉め忘れはなくなりそうだ。


「えーっと、リスポン地点の変更は…出てこないな。何かしらの条件があるのかね」

 やっぱちゃんと宿屋で泊らないといけないのかと、ベッドに腰を掛けて考えようとしたところ

<リスポーン地点を登録しますか?>


「うぉ!?」

 唐突にそんな表示が出てきたので少し跳ね上がってしまった。

「何でいきなり…あ、もしかしてベッドが条件?」

 荷運びの時に触った覚えは無いし、今座ったら反応したしあってる気がする。

「一先ず登録してと」


<リスポーン地点をファティリ村・村長宅に設定しました>

「これで良し!ついでにフォルクさん達が居たら、現状報告でもして続きと行くか!」

 帰ってきた時とは反対の、リビングに続くドアの鍵を開けて入ってゆくと

「おやモルト、戻ってきてたのかい」

 昼食を終えたらしいウィーツがお茶を飲んでいた。


「一旦はですけどね。この後はまた狩りに行ってきますよ」

「そうかい!ただ無理はするんじゃないよ?雑貨屋は今日休みだからポーションとかの補充は出来ないからね」

「ですね。一応まだ3つあるのと、あの後またレベルが上がって俊敏も平均的になったので何とかなると思います…油断しなければですけど」

「いいねぇ…レベルが上がったとしても、モンスターは隙をついて攻撃してくるから警戒をしておくのは大切さ!それがわかっているだけでも十分だよ!」

 じゃあ頑張ってきなとジョッキともう片方の手をサムズアップするウィーツ。どっかの狩人で、ゴリラが似たようなポーズをしていた気がする。


「そういえばフォルクさんは居ないんですか?」

「ああ、旦那は昼を食べてすぐに雑貨屋の裏の畑に向かったよ。多分野菜の収穫をしてるんじゃないかねぇ」

 野菜の収穫…非常に魅力的な言葉だ。

「行きたい…けど!今回はまだレベル上げに行ってきます!」

 本当に行きたいけど、デコピンはごめんだからな…

「そうかい?あたしもこの後そっちに行くから連れて行こうかと思ってたけど、そんなにやる気なら頑張ってきな!」

 選択肢ミスったぁ!




 やっぱり来るかい?とウィーツから言われたモルトだったが、男に二言はないと強い意志を持ちながら村の外までやってきた…正直何度も雑貨屋の方を振り返ったけど。

「こうなったらモンスターにこの気持ちをぶつけるしかない」

 完璧なとばっちりである。


「ついでに他のスキルも試していくか」

 農業は畑がないし錬金は道具がないから、無魔法とテイムなら出来るか?


【無魔法:無属性の魔法を扱えるスキル。物体に対して作用する魔法が多い】

【テイム:モンスターを手なずけることが出来るスキル。条件必要な場合や不可能なモンスターも存在する】


 テイムは大体予想通りな感じだけど、条件付きのもいるのか。いやまぁ強いやつが最初から仲間になったりしたら面白みがなくなっちゃうから仕方ないか?そんで無魔法はよく分からん…使える魔法はアポートってやつだけど、物体の移動とかが出来る超能力みたいなもんだった気がする。


「試しにそこら辺にある石にでも試してみるか――アポート!」

 視認していた手のひら大ぐらいの石に使ってみると、一瞬パッと小さく光ったかと思うと右手に移動してきていた。

「おお、こんな感じか。連続でもできるかな?」

 そう思って石を持ちながら落ちている枝に対して発動してみると、今度は左手に移動してきた。

「リキャストみたいなのは無しと…でも両手分しか使えないっぽい?」

 右手の石を地面においてまた発動してみると発動できた。果物の収穫とかには使えそうか?

「後は発動の範囲がどんぐらいなもんかだな…お、ゴブリン発見」

 また後ろを向いているし、奇襲が出来そうだな…なら一旦検証はやめて討伐と――あ、いいこと思いついたぞ。


「一先ず弓持ちは居ないな。なら早速!」

 ギ…ギャア!?

 ゴブリンに向かって走り出すと足音に気が付いて振り向いてきたが、驚いている隙に腹にキックをお見舞いする。

 ギイィ! ゴトッ


 そのまま後ろに倒れながら、手に持っていた棍棒を手放してしまうゴブリン。

「いまだ!アポート!」

 慌てて拾おうとしていたゴブリンの目の前から棍棒が消え、モルトの右手にやってきた。

「予想通り取れたな…地面に落ちるんじゃなくて手から離れた時から行けるかもしれんな。でも奪ったみたいな表示は出てこないし、窃盗みたいな扱いになってないのか?」

 武器がなくなってまごついているゴブリンをよそにそんな予想を立て考えている。身長的に考えると園児から木の枝を奪った高校生みたいな構図で非常に宜しくない。

 ギギャア…


「それか所有自体は変わってないのかもなぁ…ついでに気は進まないけどテイムも試してみるか」

 本当は畑を荒らすのを仲間にしたくはないけど、オオカミや兎よりは2足歩行で罠だったりが作れるんだから器用さは高いだろ――農作業の大切さを叩きこんで改心させてやろう。

「こいつは遠くに離しておいてっと、そんじゃあテイム!」

 棍棒をそこらへんに投げ、優位性を保ったまま十字鍬を装備してテイムを発動させた。大鎌よりもこっちの方がお前はこれから畑を耕すんだってのを強調できそうだしな!


 ギ?

 テイムを発動させると、ゴブリンの周りに白い光が纏わり付き明滅している。交渉フェーズみたいな感じか?

「さぁ、お前も農業の楽しさを享受しないか?」

 暗黒面への誘いみたいな感じになっている。

 ギァ?


 フッ

 少しすると、白い光が消えてしまった…テイム失敗か?

 ギャギャギャギャ!


 残念に思っていると、ゴブリンが笑っているような気がした。しかもゴブリン自身を指さしたかと思うと十字鍬にも指をさした…なんだ?

 グギャギャ!

 まだ笑っているゴブリンが腰布をごそごそしだした。

 ギィア


「なんだあれ、ヒールベリーか?」

 ゴブリンが取り出したのはヒールベリーっぽい少ししわついた実だった…鍬を指さしていたってことは、どこかの村からの窃盗品か?

 ギャギャア! グシャ!


 また十字鍬を指さしたかと思うと、ヒールベリーを地面に落とし踏みつけた。

 ギャギャギャギャ!


 何度も踏みつけたかと思うと、地面で笑い転げだすゴブリン…作物を台無しにするのが楽しくて仕方がないように見える。


 ――プツン


 グギャギャギ

 笑い転げていたゴブリンが静かになった…突如振り下ろされた鍬に驚愕の顔をしながら煙へと変わってゆく。


<ゴブリンを討伐>

<空の小魔石を獲得しました>


「ゴブリン狩りだ」

 そう呟いた憤怒の表情をしたモルトの瞳は金色に変化し――瞳孔は縦長に変化していた。

殲滅開始…早めに村の問題を解決させたいってのが主な理由です…自分で書いておいてなんですが、ゴブリンへのヘイトが高い!

若干の龍要素が登場…感情の起伏で何か変わるのが好きです。


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次回ゴブリンの天敵に俺はなる!w
次回ゴブリンスレイヤーに俺はなる!w
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