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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第1章 豊穣の村
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30話 夜と狼

個人的に夜というか深夜ラーメンが好きです…健康を考えるとたまにしか行けませんが。

昨日に引き続き投稿です!

 無いものねだりをしても仕方がないので、ウィーツが再び離れた後は戦うモンスターを探しながらも採取したい植物がないか彷徨っていると、日がオレンジ色に変わり始めた。


「夕方になっちゃったかぁ。あの後からまだゴブリン1体としか戦えてないのに」

 周辺にモンスターが居ないのかもしれない。ゴブリンはともかくとしてチャージラビットは獰猛性が増しているとはいえ、元はただの兎だろうから戦いの音が聞こえると逃げるよなぁ。


「おーーい!モルトやーーい!」

「ん?」

 ウィーツさんの声が聞こえた気がしたので振り返ってみると、100メートルぐらい離れた場所から向かってきているのが見えた。あそこから声が届くのか…あ、ウィーツさんの近くの草むらに隠れていたチャージラビットが逃げたな。


 少し周辺の植物観察をして待っていると

「こいつもノーマ草か。本当にどこにでも生えてるんだな…あ、普通のヨモギもあったぞ!」

「ほれモルト、そろそろ日が暮れるよ。一緒に村に戻るかい?」

「あ、そのために呼んでくれてたんですね」

「そうさ、なのにあんたはまた植物観察かい」

「あははは、性分なもんで…すんません。」

 近くに植物があると、ついやっちゃうんだ。みんなもいっしょに…あ、結構ですか。


「全く…夜になると出てくるモンスターが変わるから一応確認に来たってのにさ」

「そうなんですか?」

「実際にはチャージラビットが巣に潜って眠るから出てこなくなるってのが正しいけどね。そんでその巣を狙ってグラスウルフっていう狼の魔獣が出てくるようになるのさ」

 そんな昼行性や夜行性とかの生態的なのでモンスターが変わるのか。巣に潜っているチャージラビットを見つければ経験値稼ぎが捗るか?でも、それまでにグラスウルフってのに遭遇しちゃうか。


「あんたならグラスウルフが出てきても大丈夫だろうけど、奴らは基本2匹以上で居るからね。もし、ここに残るのだとしてもそれだけは教えておこうと思ったのさ」

「ゴブリンはどうなんですか?」

「あいつらは弓持ちは視界が悪いからか居なくなるけど、代わりに3体ぐらいの群れで出てくるようになるね」

「成程…俺はここに残ってモンスター狩りを続けたいですね。もう少し複数戦にも慣れておきたいですし」

「ランタンはあるのかい?」

「ないです!」

 元気に言うことではない。


「まぁ、今日は銀月が満月付近だから明るいし大丈夫だろうけど、後で必要にはなるからプロングの所で買っておくんだよ」

「了解です!」

 さらっと銀月って単語が出てきたな…他にも月があるってことなのかもしれないけど、もう夜になるってところで引き留めてまで聞くことじゃないよな。

「それじゃあ気を付けてやんだよ!」

 そう声をかけながら俺の肩をポンポンと叩き、ウィーツさんは村の方に戻っていった…あ、またチャージラビットが逃げた。


「そんじゃあ監視する人もいなくなったし、取り敢えず夜になるまでは植物探しだ!」

 ウィーツが去って少しした後、そう言いながら暗くなるまでは他の植物でも調べようと動き出した。夜が近いからチャージラビットは巣に戻りだすとはいえゴブリンは居るのだから、採取をせずに狩ればいいのに。




 ウオォーン

「おわっと!あれ、もう夜になってる…結構明るいから気が付かなかったな」

 狼らしき遠吠えが聞こえてきたので周辺確認のために地面から目を離すと、既に辺りは暗くなっており夜空には銀色の満月とポツポツと明るい星が光っている。手元が見えるぐらいには明るいから気にしてなかったけど、あの満月が銀月ってやつかな?

「いやぁ…シロツメクサの群生地を見つけたんで、採取ついでに四つ葉を探していたらここまで経ってたか!」


【シロツメクサ:別名でクローバーと呼ばれる。四つ葉のクローバーは幸運の象徴であるとされ、花に蜜を蓄えるため近縁種のムラサキツメクサやベニバナツメクサ等と共に養蜂に活用される。食用可:若葉と花を食用とし、サラダに加えたり茹でて和え物にしても良い】


 因みに家畜の飼料に使われることもあるけど、物によっては毒性が強いのがあったりするんで多用には注意。そんでカタバミって植物とは形は似ているけど、大きさがまるで違うのとシロツメクサの方は葉に白い線があるからそれで判断が出来るぞ…そもそも種類がまるで違うんだけどな!

 ただ簡易鑑定に出てきたムラサキツメクサはレッドクローバーと呼ばれる割に、日本人が思ってるクローバーの葉の形と違って楕円形だから注意な!そんでベニバナツメクサは花が長いことが多いからそこで判断だ!


 そんなサムズアップの中にシロツメクサをこんもり持たれた状態で色々言われましても…それ以前に誰に向かって言っているのだろうか。


 ウォン!バウ!


 そんな事をしていると、早速グラスウルフが近くまでやって来ているようだ。

「やけにこっちに来るのが早いような…あ、俺の臭いか?」

 雑貨屋で消臭剤が必要になるだろうからと薦められて2つ買っていたが、この時のためか!確かに草原じゃしない臭いだろうし、その草原の臭いも採取しまくっていたから濃厚だろうな。

「そんじゃ取り出して使わない」

 ガサガサ…グルルルル!


「1歩遅かったか!」

 1歩どころか5歩ぐらいは遅い気がします…はよ草仕舞って武器を持ちなさい。

因みに昼が兎で夜が狼なのは、民話だったりを調べている時にこの組み合わせ多いなと思ったのが原因です…京都や兵庫の民話に、イソップ童話とアメリカの昔話やら他にも多数と結構存在します。


クローバーは代表的な物だけにしておきました…ヒナツメクサや園芸品種のダークデビーなどを出すとややこしくなってしまいますので!

ついでにシロツメクサってウマゴヤシの俗称が使われたりもしますが、ウマゴヤシという植物はちゃんとあるという…まぁ植生似ていて同じマメ科だけれども。


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