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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第1章 豊穣の村
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26話 抑止力と村外のモンスター

戦闘があります…上手く描写ができる人は凄いと感じております。戦闘の擬音とかはあったほうがいいのだろうか?

気力が尽きるまでは土日連続投稿にしていきます…割と早く戻るかもしれませんが。

 大鎌に装備を切り替え背に装着されたのを確認して、ポーションをベルトのリングに装備させると<低級ヒールポーションを登録しました。ポーチから自動補給されます>と表示された。あ、ポーチとの共有って使ったら補給されるって意味なのか…かなり便利だな。


「このベルト、本当にタダでよかったのかな…」

「まだ気にしてたのかい?何かを返したいのなら、畑仕事を手伝ってやりな!あの畑は村人が野菜栽培に使わさせては貰ってるけど、管理はヒール草とかのついでにってプロングがやってるからね」

「畑なら喜んでやらせていただきます!でも、プロングさん色々やりすぎじゃないですか?」

「旅団の頃にも採取に武器防具の修理、滞在の町村での農具や料理道具の野鍛冶と魔法薬の錬金やらをやっていたからね。何かをやってないと落ち着かないらしいよ」

 生産超人か?雑貨屋の殆どが手作りだってのはこの時の経験が活かされまくってるのか…性分でやってるのもあるだろうけど、まだ当時のことが抜けてないんだろうな。


 そんな世間話を続けながら歩くこと5分。フォルクさんが若い時は荒々しくモンスターを討伐していた話に盛り上がっていたころ。

「それでねぇ…お、藪が開けてきたよ」

「おお…こりゃまた壮大ですね」


 ウィーツが指さす先には、背の低い植物とまばらに木々が生える草原が広がっていた。緑のカーペットの所々に花のアクセントがあり、非常に美しく観察欲と採取欲が奮い立てられる。

 少し遠くには草が不自然に動いていたり、何かが跳ねていたりするのが見えるので、このあたりからはモンスターとかが出てきそうだ。


「なんとなく分かったかもしれないけど、ここからはモンスターや野生動物も出てくるから、気を引き締めな。旦那の昔話はまた今度だね」

「了解です」

「…言っとくけど、勝手に植物を調べに行くんじゃないよ?デコピンを食らいたいのなら構わないけど」

「イエスマム!全力でモンスター討伐をやらさせていただきます!」

 欲望に忠実で行動したら首が逝くことになるだろう。間違いなく物理的に。




 その後あまりにも気になる植物の前で止まったり挙動不審だったりしたお陰?で、何かしらを1体倒して問題ないと判断されれば採取が許可された。嬉しいけど動きがおかしいと言われたのは複雑だ…

「よし!それじゃあ頑張りますか!」

「現金というか忠実だね…まぁやる気になってくれるならいいさ。ほら、そこの草むらに一匹いるよ」

「えーっと…あれか」


 右前方の草むらをじっと見ると、兎のような生き物が隠れているのが見える。こっちを見ているような気がするけど、警戒されてる?

「あたしが近くにいるのが原因だね。少し離れているから、モルトは気が付いてないふりをして近くを通ってみな」

 そういうとウィーツはやってきた方向に戻っていった。藪から顔が見えるけど大丈夫なのかな…あ、ウインクした。はよ行けってことかもしれないから始めるか!


「それじゃあ自然に、自然に…お!あそこのヨモギみたいな草気になるな!」

 もしかしたらヨモギじゃなくてトリカブトかもしれない…いやでも日当たりのいい場所だしじめじめしてないから違うだろうなぁ…んじゃあアメリカフウロとかか?これはよーく見なくちゃな。

 自然というか、もうそれしか見えていない動きでずんずんと進んでいくモルト。確かに自然といえば自然だが。


「簡易鑑定って地味に調べられる範囲が狭いっぽいんだよな。大体2mぐらい?普通の鑑定ならそこら辺も良くなるのかな…っと!」

 ヒュッ…ザザッ!


 警戒だけはしていたのか、草むらから飛び出してきた敵を体を背けることで避けることに成功した。一応大鎌を振るいはしたが掠ることもなかった…俊敏が低いのが響いてそうだな。


 キュギュウ!


 突進が当たらなかったことが気に食わないのか、鳴き声を上げながら睨んでくる兎。結構でかいな…なんとかジャイアントってやつをさらに筋肉質にした感じ?

 さて、割と近くに居るし簡易鑑定を


 ギュウ!


 ビュンッ

「あっぶね!」

 間一髪のところで突進を避け切る。仕方ないけどこいつを鑑定するのは後だな!

「さぁ来い兎!」

 キュッ!


 ヒュッ、ゴン!

「っく!…こなくそ!」

 敢えて正面から大鎌の柄を盾にして攻撃を受け止め押し返す!近所の犬の撫でて突進よりは迫力が弱いからなんとかなるな…そんで俊敏は高いが筋力は低いみたいだ。

 後、もしかしたらだけど


 キュウゥ!


 ビュン!

 鳴き声とともにまた突進を仕掛けてくる兎。少し目が慣れてきたのか、攻撃の軌道を見ながら問題なく攻撃から逃れることに成功した。…やっぱり!ジャンプで突進を仕掛けてくるから方向転換が出来ないよな!そんで突進をするには1度溜めを行うためにそこに留まるから…


 キュウ!


 ヒュッ、ダダ…

「そこ!」

 兎が突進を仕掛けて来た所を少しの動きで避け、着地地点に向かって大鎌を振るう!

 ザクッ!


 ギュ!

「よし!当たりはしたな!」

 少し狙いがずれて右足を切るだけになってしまったようだが、これで機敏な動きは出来なくなったはずだ。あの時のゴブリンは首が切れたのに、傷が出来るときは赤い線が入る感じで済むんだな。


 キュ…キュウ!

 それでも闘志はなくなっていないのか、こちらを右足を守るようにしながらもこちらを睨んでくる。

【チャージラビット:草原に隠れながら通ってきた生き物に襲い掛かる魔獣。普通の兎と比べて獰猛性は増しているが、周辺の警戒と突進に気を付けさえすれば、初心者の良い練習相手になるモンスター。】


 弱って早く動けないのか、それともこちらの隙を伺っているのか移動しないので、簡易鑑定も済ませておく…初心者用のモンスターね。本当に第5エリアまでは強いのがいないんだろうな。動きに慣れるチュートリアルって感じ?

 ギュ!

「おっと、油断しちゃいけないよな」

 無視をされたと思ったのか強い鳴き声で自分を示すチャージラビット。睨んでは来るけど、ふわふわでかわいい感じなのが少し良心が痛む。


「だけど今はレベル上げが大事だからな!犠牲となってくれ!」

 ザン!


 ギュッ…

 もう一度大鎌を振るい、左の腹のあたりにダメージが入る…それがトドメになったのか、顔を上げ霧と化して消えていった。


<チャージラビットを討伐>

<チャージラビットの毛皮と後脚肉を獲得しました>


「よっしゃあ!無事討伐…脚肉?」

 ゴブリンの時は魔石だったけど、肉とかがドロップするときもあるのか。そして経験値獲得の表示はなし…そういや次のレベルまでの経験値の表示とかなかった気がする。そこらへんは倒していって上がるのを待つしかないか。


「上手いもんじゃないか」

「ウィーツさん」

 後ろを振り返るとウィーツがいつの間にか近くまで来ていた。

「倒したのを喜ぶのはいいけど、周りの警戒は怠ったらいけないよ!外に出りゃモンスターはいつ何時も襲ってくるからね」

「あ、確かに…」

「まぁ、それでも及第点以上だから大丈夫さ!」

 そう言ってくれてるけど、今後は気を付けないとな。


「ただねぇ」

「ただ?」

 何か悪いところでもあっただろうか?大鎌で突進を受け止めたのが良くなかったかな?


「モルトは土龍人ってやつだろう?龍人だし土ってついてるんだから、最初に土魔法とかで牽制しようとか考えなかったのかい?それに投げナイフもあったろう?」

「あ」

 この男、自分が魔法が得意な氏族であることや買って腰に下げている投げナイフをすっかり忘れて、草に誘惑されていったのである!


「…」

「……」

「よし!魔法か投げナイフを含めてもう1回戦うまで植物を調べるのは無しだよ!」

「NOooooo!!!!?」

 残念でもないし当然。

ゴブリンやチャージラビットの声や鳴き声の場合は鍵括弧を付けていませんが、ゴブリンは付けた方がいいのかな?

モンスターは総称で、その中に魔獣やらゴブリンが入る種類がある設定です。

チャージラビットの元ネタは、フレミッシュジャイアントという兎の最大級種になります。でかいのは体長1メートルと体重10キロを超えてきます…本当に大きい。


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― 新着の感想 ―
兎で脚肉は当たりじゃないの?多分1番美味しい部類じゃ?知らんけど
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