21話 偽装防止と雑貨屋の店主
雑貨屋っていいですよね…ついつい寄ってしまいます。
MCO1話投稿から1ヶ月経ちました!
その後村人とあいさつをする際に確認をしてみたが、確かに腕輪をちらっと確認しているような感じがする。なんというか、加護持ちであることの証明書みたいなものなんだろうか?
「まぁその模様が精霊花だってことは、小さい頃に教会やらで知ることだからね。ステンドグラスとかに描かれてるし、シスターやらが本を使って話してくれるのさ」
めちゃくちゃ有名な花じゃん。
「後は精霊が良く訪れる場所や通り道になっている場所には偶に生えているから、本物を見ている奴もいるのさ。あたしはそっちだね」
「そこまで有名な花とかだと、デザインに使われたり偽造されたりしそうなもんですが…」
このアクセサリーには精霊の力が込められているから、これで君も精霊のお気に入りだ!だなんて嘯きながら商売をする奴がいそうなもんだが。
「そこらへんは大丈夫さ。偽造しようという意思を持って作ったり悪意を持って販売しようとすると、頭痛がしたり作成道具が爆ぜるらしいし、販売していた奴が呪われるってのも聞いたことがあるね」
Oh…きちんと対策というか、罰があるのか…安心はできるけど。
「んで、そういう意思を持たずに、純粋にデザインや尊敬の意味を込めて作ったりするのは問題ないね。そうじゃなきゃステンドグラスや本は出来てないさ」
「あ、そりゃそうですよね」
完璧に抜けてたな…ステンドグラスもそうだし、教会で教えてくれるんだから本とかに精霊花の絵が描かれてなくちゃ分からないもんな。
「ついでに作ったものが精霊に気に入られたりすると、それに何かが付与されたり作成者に幸運が訪れたりするっぽいよ」
精霊さんや、加護やら何やら振りまきすぎではないかい?
そして少し歩いた後
「よし着いたよ。ここがそうさ!」
ウィーツが指さす先には看板に雑貨屋とだけ書かれた背が高めの平屋が建っていた。
「店の名前も雑貨屋なんですね」
「この村には物を売っている店はここだけだからね!」
それなら何も問題はないのか…1軒だけなら確かに雑貨屋とだけ書かれている方が分かりやすいな。
「邪魔するよ!」
ドアを開け声をかけるのと同時にウィーツが少しかがみながら店の中に入ってゆく。
「お邪魔しまーす」
それに一拍遅れてモルトも入店する。
店の中は鞄がフックに掛けられていたり、フライパンや陶器のコップ等が並べられていたりと雑貨屋らしく様々なものが置かれているが、肝心の店の人がいない…外出中かな?
「店主さんいないんですかね?」
「いや、出かけるときは札をかけたり鍵が閉まってるからどこかには居るんじゃないかね」
ちょっと待ってなと言うと、店内のカウンター裏にあるドアに向かって行くウィーツ。ええ…上に従業員用って書いてあるんだけど…躊躇ないなあ。
やることがないので店内の商品を眺めることにするか、気になるものが結構置かれているし。
木製の皿にコップと草を編んで作られた手持ちのかごもあれば、透き通った黄緑色の液体が入った小さなフラスコ瓶が棚に置かれていたりもする。あれがポーションかな?…今、破裂音みたいな音が聞こえた気がするけど、キニシナイデオコウ。
そして畑が多い村だからか勿論農具も揃っている。鍬にスコップとジョウロの基本的な物からフォークや噴霧器のようなものまである。他のもよく見たいが、噴霧器みたいなものが異質で気になって仕方がない。よく観察してみると蓄圧式みたいに手押しのポンプがあるわけではなく、何かをはめ込むような場所が側面についていた。
「なんだこの窪み?電池にしては変な形だし」
「そりゃ魔石をはめ込む場所だ。魔道具だからな」
「魔道具?」
電池の代わりで魔石で動く道具だから魔道具って呼び名なのか?…というか聞いたことのない声な気が。
声のした方向に向いてみると、先ほどウィーツが入っていったドアからずんぐりむっくりした髭もじゃスキンヘッドの背の低い男性と、その後ろからウィーツが出てきていた。フォルクさんの時よりも凸凹感が凄まじいな…
「おう、お前さんがモルトかい?このデカブツから話は聞いたぜ」
「デカブツとは酷いじゃないか!」
「人が作業しているときに従業員用って書いてあるドアから勝手に入って、挙句の果てに頭を上からはたいてくる奴にデカブツと呼んで何が悪い」
さっきの破裂音みたいな音はその時のか…頭がきれいに赤くなっている。
「まぁお客の入店に気が付かなかった俺も悪いか…プロングの雑貨屋にようこそ、歓迎するぜ?」
ニヤリと笑って挨拶をしてくれるが、どうしても…その…頭が気になります。
スキンヘッドが手形で真っ赤なのを書きたかったので、プロングには剃ってもらいました…許せ!
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