202話 株の採取と濃い時間
「ようし、これで十分採取できたな!」
『あむ!』
あの後綿毛が抜けきった状態のウェンスタンポポを重点的に狙ってシャベルで掘り起こし、採取を進めていった…一応都度都度鑑定をして品質を確認していたけど、見事に1と2ばかりだった。そんで途中でフェルの声が遠くから聞こえてくると思ったら、採取に夢中で最初の群生地に戻ってしまっていたみたいで急いで迎えに戻った……いやぁ、この株たちの品質をドンドン良くしていく方法を考えながらやっていたからいつの間にって感じだったぞ!勿論仁王立ちで待っていたフェルには謝った――――背後にあるムキムキの葉で威圧感も増していたな。
「マジで気を付けないと、知らぬ間に襲われてリスポーンってこともあるかもしれんしなぁ」
『うぁう!』
「危ないからちゃんと見ているって?そりゃ助かる」
まぁ、あんまり信頼性はないけど…今だって肩の上でむふーッと息を吐く声が聞こえてくるが、そのすぐ後にカラシナの群生地の方に目移りしているし。本能的にそれに辛味がありそうだって感じているのかもしれないけど、もう少し有言実行をしてほしい。でもその向いている方向に質の良いのが生えているんだろうな……ただその前に。
「ほら、3と4の株も採取するから案内してくれ」
『うぬ~ぅ…』
「カラシナの方も後でちゃんと採取するから!なんだったらマスタードが出来たときに真っ先に食わせてやるぞ?」
『まーお?』
「そうマスタードだ。辛味のある良い調味料だぞ~」
『!!……んんー!』
「うおっと!やる気を出すのはいいけど、また穴に落ちるぞ!」
『んぶぅ!』
今回はちゃんと加減してるから大丈夫って言われても、飛ばすのは俺の反り次第だぞ。ん?品質4がまとまって生えている場所があると……急いで採取だ!
<正常にログアウトされました>
「よし、ちょっとゆっくりするか」
特に何事もなく必要予想数の野草たちが集まったのでまたもや1時間ぐらいかけて村に戻り、フェルをウィーツさん達に預けてからベッドで寝てログアウトをした。フェルにはまた夕食の内容を伝えてくれと頼んでおいたので、またログインするのが楽しみだ。
「にしても…またもや色々と濃い時間だった」
特にパネットさんの暴走に巻き込まれそうになったのと――最初から巻き込まれていたのではって言うのは置いておくとしてだ――ムキムキのダンディーライオンっていうウェンスタンポポの特異種の出会いはあまりにも濃すぎた!100パーセントのジュースじゃなくて3倍ぐらいに濃縮されたドロッドロのを飲んだ気分だったぞ……ちょっと前に似たような緑色のスムージーを飲んだような気がするけど、多分気のせいだろ。
「意外と長くやって夜まで採取してしまっていたけど、リアルではまだ午後2時半だからなぁ」
フェルに案内されるままにセイヨウカラシナならぬウェンスカラシナにアブラナを採取したり、水辺に生えている大量のクレソンを遠慮なく小山が出来るぐらい根から頂いたりと楽しくやらせてもらった。にしてもマジで川を覆う感じで生えていたからフェルを引っ張りながら取っていたけど、あそこまで増えて大丈夫なのだろうか?
「原産地だしそこらへんは対処法があるのかな…人の手じゃどうにもならなくても魔法があるしどうにでもなる…な」
なんせモンスターの侵入防止や侵入者に電撃を与える用の魔道具がポンポンあるような世界なんだし、植物の成長抑制が出来る道具とかは案外簡単にできるんじゃないだろうか。プロングさんに聞けば普通にあるぞって言われそうな気がする。
「となると、あの伸びきっていたクレソンとかって採取してもよかったのかね?」
抑制が出来る可能性が高いのに、のびのびとしていたよな。橋の近くで色々と整備されている場所だったし、あえて栽培の意味で放っておいた可能性も……ま、まぁ大丈夫だろ!
クレソンは日本の河川敷にびっくりするぐらい生えていたりしますが…川に生えている物の生食はかなり危険であるというのと、かなりびっしり生えていたりする場所は水質が良くないことがあるのでお気を付けください…
次回は掲示板になります。
ブックマークや評価を頂けると嬉しいです!




