15話 竜人族と龍
私の脳内及びこのゲームでの設定ですのであしからず。
フォルクさんが話してくれたことによると、龍人とはそのまま龍の血を持つ竜人族の中でも珍しい氏族のことで、人数が少ないことで有名なのだそうだ…嫌な名声だな。だから出会った時に驚いたってのと、リザードマンの中には血の濃い竜人族に憧れを持つ者もいるそうで、まさにフォルクさんがそうらしい。
「いやはや、先ほどはお騒がせをいたしました」
「いえ、特に被害はなかったので」
フォルクさんの首以外は。
そもそもの話、龍とは何なのかという話ではあるが、ものすごく簡単に言ってしまえばドラゴンの一種らしい。なら同じドラゴンの血を持つドラゴニュートがいるんだし同じ氏族でいいじゃないかと言ったら、ドラゴンと龍は確かに同じ仲間ではあるが特徴がかなり違うらしくそこで区別がなされているとまくし立てるように話されてしまった。
「・・・っは!申し訳ない。つい熱くなってしまったようで」
「い、いえ。参考にはなりましたから…そこまで熱くなる理由があるんですよね?」
「勿論ですとも!私たちリザードマンは元を辿れば龍以外のドラゴンを起源とする竜人族の1氏族なのです。残念なことに同じ起源のドラゴニュートと違い血が薄い氏族ではありますが、それ故に龍人がドラゴニュートと同じ氏族というのは考えられないのですよ。そもそも同じ竜人族ではありますが、ドラゴニュートと龍人では見た目も違いますからな」
「成程…アブラナ科の野菜みたいなもんか」
キャベツやブロッコリーはアブラナ属という属であり、ダイコンはダイコン属という違うものではあるが元を辿ると同じ科のアブラナ科に属している。見た目は違うが、放っておかれた畑で花が咲くと似たような花弁の花が咲くので分かりやすい。
じいちゃんの畑で自由研究として撮ったのを小学校で発表したなあ…ぽかーんとされたけど…
「や、野菜?」
「ああいや、こっちの話です。考えてみれば獣人族とか氏族多いですもんね…それでドラゴンと龍の特徴の違いとは?」
恐らくドラゴンはどっかのクエストだったり馬鹿でかい武器を振り回す狩人ゲームに出てくるような姿で、龍は球をつかみ取って願いをかなえる漫画や基本姫様じゃなくて勇者を操作する伝説のゲームの姿であっているんだろう。あ、クエストにも出てるか。
それとなくで思っていた姿を声に出して確認をしてみた。
「そうですな。基本その姿であっております…中には頭が多数ある方や翼を持つ龍の方でしたり、あなたのように属性を持った方もいらっしゃいます。相応に珍しいですが」
「結構いろいろと居るんですね」
その血を濃く持つ奴がなんか言ってら。
「他にはドラゴンというのは基本的に圧倒的な腕力や脚力等で圧倒するというのが多いのですが、龍の方々は防御が高く魔法を多用するという違いがございますな。この特徴は竜人族の中でも基本変わりませぬ」
「ということは、俺は魔法防御特化ってことですか」
「あくまで基本的ですので、例外の方々もおりますが平たく言えばそうなりますな。そして、性格についてなのですが」
ここからが一番説明したいことなのか、村長は穂茶を一口飲み真剣な顔になった。
「ドラゴンは基本自分本位。自分が行きたいところに行き自分がやりたいことをするため、土地に被害が出たり人への被害が出ることが少なくないのです。それ故に一部の地域では恐怖の象徴であるとされていることもございます。濃い血を引くが故に、この世界に元々住むドラゴニュートも好戦的なのが多いですな」
なんというか典型的な想像の中のドラゴンって感じだ…それでも年を取ると大人しくなり地域の主となったり、破壊した場所から温泉や鉱脈が見つかる棚ぼたがあったりするそうだが。
リアルでも聞くような話だなーと思う。取り敢えずドラゴンは危険でドラゴニュートは柄が悪い。モルト覚えた。
「そして龍になりますが、基本は自分の生まれた場所に留まりその土地を守り豊かにすることに注力されます。気性も大人しく交流を好む方も多いことから、その住まれた土地に人々が移り住み村が出来、国へと発展し象徴とされることもございます…風龍は風来坊な方が多いですが。龍人も同じくで穏やかな方が多く、土地に留まり何かしらの生産を得意とされる方が多いのです」
「随分対極ですね…」
一方は土地や人に被害を出す破壊を司り、もう一方は土地と人に恵みを与え守護を司る。
こりゃたしかに区別されるだろうなと納得した。
「ただ、土地を害された場合の暴れようは凄まじいとのこと」
それ局地的なだけでドラゴンと変わらなくない?モルトは訝しんだ。
実際のアブラナ科となるとワサビのワサビ属やルッコラのキバナスズシロ属等も有りますが、流石に長すぎるので割愛しました…アブラナ属も大量にありますし。
ついでに獣人族は起源の動物が違いますが、猫族や犬族って分けるととんでもない数になるのでくっつけて氏族単位にしました…
もう一つついでに次回は閑話です。
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