14話 意外な活用と忘れた?こと
あの時すっ飛ばした何かの話。
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修正:フォルクの口調が一部お爺さんになっていたのを直しました。
村長宅の中に入り、少し待っていて欲しいとのことだったので家の中を眺めて待つことにした。
まず部屋の中央にあるテーブルが非常に大きい。ウィーツに合わせて作られた物のようで、同じように一脚だけ幅の広い椅子もある。部屋の壁にあるドアもよく見れば上下に鍵穴やノブがあり、夫婦で暮らしやすいような工夫がなされているようだ。
他にも壁に掛けられている絵画があり、村の畑一面に小さな青紫色の花が咲いている様子が描かれている。恐らく魔力草なのだろう。
これが元々の村の畑だっていうのなら、ウィーツさんや村の人たちが溜息をついたり寂しそうな顔をするのもわかる気がするし、何とかしてあげたいなと思いながらも隅にあるものに目を向けた。
「おお!」
モルトの目が一様に輝きだす――そこには部屋の隅で専用の台に掛けられている巨大な農具たち。ピカピカに整備されており、作業に使われるのを今か今かと待ちわびているように感じた。
最早絵画に描かれていた畑の光景は頭の隅に追いやられており、この農具たちを観察しているのに集中している。
いいのかそれで。
「どうしたい、そんなに目を輝かせて。私の農具がそんなに気になるかい?」
「ウィーツの農具は大きいですからな。気になるのも無理はないでしょう」
その二人の言葉に振り替えると、後ろのドアからウィーツが山のような量の茶菓子と陶器のジョッキを持ち、村長がティーポットとカップを持って入ってきていた。どうやらキッチンでお茶を用意してくれていたようだ。
「後で触ってみるかい?ただ私好みにしてあるから重いけどね」
「いいんですか!是非!」
即答である。潰れても知らんぞ。
まぁ、まずは茶を飲んで下されとのことだったので頂くことに。見た目的には薄い茶色で芳ばしい香りがしている。
「おぉ、美味しい…優しい麦茶みたいな味がするな」
最近の仮想ゲームの質が上がっているのは知っていたが、ここまでリアルな味を感じさせることができるのかと少し感動してしまった。
「気に入ってくれたかい?ここらへんじゃ普段から飲まれているノーマ草の穂茶だよ」
「ノーマ草の?そうか、あれはイネ科っぽく見えたし穂が出来てもおかしくないのか」
となるとモチーフはススキとかだろうか?でも、あの時はお茶に使われるだなんて書かれていなかったような…あ、よく知られていることが載っているんだったか。
おっといかんいかん、人の家なんだから考えるのは後にしないと。
考えに耽る前に首を振って霧散させる。奇妙な行動だったようで対面の二人には首を傾げられてしまったが。
「それでモルト殿でしたかな?私は村長のフォルクと申します。種族はリザードマンでして、ここにいるウィーツの夫です」
「そんじゃ改めてだけど、フォルクの妻でウィーツだよ!種族はハーフジャイアントさ!」
多少の疑問を持たれつつも、村長のフォルクとウィーツは自己紹介をしてくれた。であればこちらも返さねば無作法というもの。
「えと、プレイ…異転人のモルトです。種族は土龍人ってやつですね」
「おお、やはり龍人であったか!しかも属性龍とは!」
「こりゃ驚いたね、本当に龍人かい。かなり珍しい氏族で見た目も人族とそんなに変わらないから、この人が間違えてるんじゃないかと」
「お前さんなぁ…私は仮にもリザードマンだぞ。ドラゴンと龍の因子は間違えんよ」
なにやらリザードマンには判別方法があるらしい。それについても気になることではあるが
「村長さん」
「なんですかな?ああ、それとフォルクで構いませんよ」
「ではフォルクさん…申し訳ないんですが、俺は異転人なので龍人がどんなものなのかよく分かってないんです」
実際は妖精に乗せられてほぼ説明を見ずに種族を選んだだけである。
「なんと…神々から異転人には種族を選ぶことができると言い伝えられたいたのですが、その種族についての説明は無いのですか」
「あー…説明自体はあったのですが、突然こちらの村に飛ばされてしまったのでどんなものだったのか忘れてしまって」
最初の2~4行しかまともに読んでいない。
「ふむ。であれば私から龍人について説明いたしましょう。少し長くなるでしょうから…ウィーツや、お茶をまた沸かしておいてくれるかね」
「あいよ。長い話は苦手だからちょうどいいさね」
持ってきた茶菓子の山を半分食べ切っていたウィーツはそう返事をすると立ち上がり、キッチンに向かっていった。
「さて、まずは何から話すとしましょうか…」
実際に普通の2~3倍ぐらい大きな物があったらそちらが衝撃的で、発見する前のことは曖昧になりそう。
ススキのお茶って実際に麦茶とかの穀物茶の味がします。ただ採取からすると、葉で指を切ったりするので注意…
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