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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第3章 村の宴会
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七草SS

今日7日じゃないかと突発的に作成したSS…誤字などが多いかもしれません。

 ――――これはMCOが始まる2か月ほど前。1月7日のモルトもとい耕司のちょっとした思い出の記録。


「母さんおはよう!」

「はいおはよう」

「早速なんだけどキッチンの隅の方使ってもいい?」

「良いけど…何するの?」

「そりゃ俺の朝食の準備だよ」

 そう言うと、少し寝ぐせの残る耕司は冷蔵庫を開け中の物を取り出し始めた。


「今まさにご飯の準備をしているのだけど…」

「大丈夫!作るのは飲み物だから!」

「あらそう。使った物はちゃんと洗うのよ?」

「了解!」

 いやぁ今年の7日が日曜日でよかった!おかげで朝から存分にコレを作ることができるぞ!


「さてさて、年明けから摘んできた精鋭たちのご登場だ」

 流石に真冬の河川敷は凍えたぜ…少しなら大丈夫だろうと油断せずにちゃんと懐炉を持って行った判断は間違っていなかった。まぁこの時期の水の中に手を突っ込むんだから当たり前のように持ち歩くだろうけどな!


「まずはセリ!言わずと知れた旨いやつ!」

 そして凍えた原因でもある。なんせこいつは水辺に生える植物だから、根から採取しようとすると必然的に水に手を突っ込む羽目になるんだ…なら葉の部分だけ採取すれば良かったんじゃないかって?冬の時期のセリは根の部分が旨いんだよ!宮城県の人たちもそうだと頷いてくれるはずだ。


「セリがあるのね。少し残しておいてくれる?」

「はいよ。というか作るのは1人分だから余るんだ」

 クレソンも生えていたから間違えないように摘んでいたら割と採取してしまったんだよな。かなり広範囲に生えていたけど、それでもすまないセリ達よ…美味しく食べてやるからな。

「じゃあ今夜の鍋にするわね~」

 よし、今日の夕食が素晴らしいものになることは決定したな。


「つづいてはナズナ!」

 俗にいうペンペン草って呼ばれるやつだな。実の部分を少し引っ張って伸ばしてから、茎をくるくる回して音を出す遊びが出来るからそういう名前になったらしいけど……まぁ昔の遊びと言えばそう。昔一度やってみたけど確かに多少は面白かったな――そのあと茹でて食ったけど。


「んでゴギョウ」

 こっちはハハコグサってやつだ。葉の全体に産毛が生えていて少し肉厚なのが特徴の植物だ。昔は餅に練りこんで草餅にしていたりしていたそうだけど、今は香りも味も優秀なヨモギが主流でこっちはほぼ使われないな。母と子の草だからもち米と一緒に叩くのは縁起が悪いとかで変わったとかの説もあるそうだけど、正直分からん!

 因みに今まで紹介してきたやつも含めて、冬の時期だとロゼットっていう冬ごもりの形になっているんで探すときは調べてみてくれ…特にキク科のロゼットはよく似てるんで注意な!まぁ俺も下手すればタンポポとか混じってるかもしれんけど、ノボロギクとかの毒じゃないんでOKだ!


「4つ目はハコベラ!」

 ハコベやヒヨコソウって呼ばれたりもする。なんでヒヨコソウなのかって言うと、かなり生命力が強くそこら辺に生える植物だから鶏のエサにされていたからだそう。実際小さな野草なんだけど、生えてるところにはもっさり生えているからなぁ。


「そして5つ目のホトケノザ!」

 ここでいくつかの小さな紫の花が生えている植物を思い浮かべた人は間違いなので注意!俺が摘んできたのはコオニタビラコっていうキク科の物で、ホトケノザってのは別名なんだ。紫の花の方はシソ科で基本的に食べない植物……といっても花を摘み取って蜜を味わうみたいなのをすることもあるけどな!


「んで6と7のアブラナ科のどれか」

「急に雑になったわね」

「だって大根とカブなんて河川敷に生えてないもの」

 ハマダイコンなら生えてるけど、デカいのしかなかったんで今回は断念した。一応被らないように葉が茎に巻いているのアブラナっぽいのと、巻いていないカラシナらしき物を選んできたんでこれでヨシ!


「地上にある胚軸(はいじく)部分が膨らんでたんでこっちがスズナで、膨らんでないのがスズシロって事で」

 んじゃ事前に水洗いしておいたこやつらをまとめて沸騰したお湯にイン!そしてちょい長めに1分ぐらいで取り出して水にさらす…軽くあく抜きしておいた方が味が良くなるんでね。因みにセリは根の部分を後から5秒だけ追加で茹でると香りも残って非常にベネ――なんだけど、こっちも1〜2分茹でておく。肝蛭とかがいるかもしれないからな!

「えーっと、母さん。ミキサーってどこにあるか知ってる?」

「ミキサーなら棚の上よ」

「そういやそうだっけ」


 んじゃ取り出して準備だけしておいてと…あ、コンロ使うのね。なら邪魔にならないようにミキサーはリビングのコンセントを使うとして……よし野草たちのあく抜きもこれぐらいでいいんで水気を取って5センチぐらいの長さに軽く切っておく。う~ん、代替スズナの胚軸が若干固いような――まぁいいや!

「ではリビングに移動して…コンセントよし!」

 そしてミキサーにぎゅうぎゅうにならないぐらいの量の野草たちと牛乳に少量の氷、さらに砂糖を少し入れて蓋をする――スイッチオン!


 ガガッ、ブィーン!

「お、上手く回ってる」

 でもセリの根とかが少し混ざりにくいか?となると一旦止めて底と混ぜ合わせたりすれば……いいぞ理想的な混ざり具合だ!

「……なにその緑の汁」

 その声に振り替えると、今まさに起きたような姉ちゃんが歯を磨きながら何とも言えない顔でこちらを見てきていた。


「おはよう!」

「うん。それでなによその青汁」

「青汁じゃない!人日の節句特製七草シェイクだ!」

「じゃあ七草汁」

 ……否定できん。


「ほらご飯できたわよー。お皿とか運んでちょうだーい」

「「はーい」」



 七草シェイクは微妙だったということだけ明記しておこう…中に残っていたスズナが辛かったです。

七草汁。

因みに七草自体は春夏秋冬に存在しますが、一般的に食べられているのは春の七草となっています。節句自体も5つありますが、人日の節句だけ1月7日という奇数の重なりではない日で特殊だったり…1月1日は正月だからずらしたとかそこらへんが理由だそうです。


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