12話 迷子と焼山の村
昨日修正前のが一瞬上がっていました…お騒がせしました。
第1章開始です!案外すぐに出せた…ただ少し短いか?
長いこと放心状態だったモルトは、唐突に鳴り響いた通知音で何とか戻ってこれた。
「えーっと…姉ちゃんからの連絡か」
どうやら同じくゲームをしている姉からメールが届いたようで、確認してみるとチュートリアルは終わったのかどうかの確認が似たような内容で何件か入ってきていた。
こんなに入ってきているならもっと早く気づきそうだけど、異転するまではメール機能とかが停止してたのかな?
「てか、チュートリアルが終わったら連絡してこいって言ってたのに、そっちが送ってきてるじゃん」
どっかの誰かさんが草を採取しまくって時間をかけまくったのが原因らしいですよ?
返信だけはしておくべきだなと、今終わったと短い内容で送った。
ピコン!
「返信が早いな…あんたどうせウェンスで始めたんだろうから、冒険者ギルド前で集合ねって…確かにウェンスではあるんだが」
同じ国の中ではあるが、ここからじゃ間違いなく合流はできないだろうなぁ。
取り敢えず状況を整理してみるか。
チュートリアルが終わってウェンス王国を選んでやってきたまではいい。そんで、何度も重複が発生したって表示されたんだよな。
そこまではまだ良いとして何で第3エリアに飛ばされてんだ?しかも隠し村って書いてあったし…普通に来ちゃいけない場所なんじゃなかろうか。俺しかいないし…
後何故かシーズの声と姿を見たような気がすると思いはしたが、あの時に別れたんだから気のせいだろうと考え姉への返信をどうするかという方面にシフトした。哀れなりシーズ。
よし、メールはこれでいいだろ。
「すまない姉上、ギルド前には行けそうにありません。今拙者は第3エリアに居りますっと」
ついでに状況については夜にリアルで説明するからと書き添えておく。後一旦通知切っておこう…絶対大量に送られてくるだろうし。
「何でここに来ちまったのかは分からないけど、まずは周囲の環境だけでも確かめないとなぁ」
そう思いつつ周りに目を向けてみると、数軒の石造りの家に井戸や何も植わっていない畑と奥に見える教会。そして異転した場所の後ろにそびえる山といった感じだ。
村の周囲は簡易的な木の柵に囲われているだけで、同じく簡易的な門が山の方向と逆の2か所にある。かなりの範囲が背の高い草に覆われているのにモンスターとかは大丈夫なのか?あ、あの草見た目的にノーマ草だな…本当に至るところに生えてる草なのか。
「でも羅列してみるとよくゲームにあるのどかで良い村だよなぁ。それも一番最初に主人公が冒険を始める故郷って感じの」
まぁここは第3エリアなんですけどね。
「本当にのどかで良い村だ…ちょっと寂れているというか疲れたような雰囲気がある気もするけど」
こういった村であれば、畑で誰かが作業していたり井戸で主婦の方々が話し合いをしているようなものだが見る限りそれがない。人の歩く姿は見えるが顔は俯いていて、井戸の前にあるベンチに座っている人は時折山の方向を見上げてはため息をついている。
「山を見ているってことは、やっぱあの状況って普通じゃないのか…そりゃそうか――焼ける草木の山なんて普通じゃないよな」
そう、村から見える山はモルトの言葉通りに焼けているように見える。溶岩が流れているようには見えないし、本当にただ草木だけが燃えている。不思議なのは焼けているはずなのに、煙は出ていないし木の枝が崩れ落ちずに煌々と赤く光っている点だ。
更には山頂から裾まで燃えているというのに村には影響がないように見えるのだ。実際に火花は飛んできていないし門から見える山近くの草木を見つめても火が近づいている気配がまるでない。
「どうなってんだありゃ?」
姉や友達2人というかほぼ1人に他にやるやつがいないと乞われて、栽培と農業ゲームの合間にMMOをしてきたモルトではあるが、この状況は出会ったことがない。
とはいえだ
「このまま立ち止まっているだけじゃ何もわからないか」
そう呟くとやってきた場所から歩き出し、住民がいる方向に向かって歩き出した。
これからは1人行動なので地の文が増えてくるとは思います…いや、キャラクター増えるし変わらないかな?
マイペース投稿なので2,3日で投稿出来たり逆に1週間以上経つときもあるかもしれませんが、その時は活動報告に煮詰まっている等を報告すると思います。
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