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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第3章 村の宴会
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128話 サラダとキノコ

 野草も使ったってだけだから全て野草ってわけじゃないからな?その場合は俺が自分で食うだけになるからまたの機会だ……たまに渋かったりするのがあるから他人に食わすのは怖いというか。姉ちゃんにピリンさん?あの2人は自分で苦みに突っ込んでいくというか、運がないから食わそうと思っていなくてもあちらから来るし…

「取り敢えずこのサニーレタスはちぎってさらに載せるとして」

 レタス系って包丁で切ると中に含まれているアントシアニンだったりのポリフェノールが包丁の素材である鉄に反応して酸化しちゃったりするんだ…サラダが出来た後に切った端が赤かったりしたらそれが原因だぞ。別に食べるのには何の影響もないから気にしなくていいんだけど、色どりって大事じゃん?


「次はこの黒い玉ねぎをスライスして水にさらす。えと、これ大丈夫なんですよね?」

 色どりが大事って言ったところに凄いのが来てしまったよ……表面が全部黒くて光沢があるから、カビじゃないとは思うが。

「ええ、そういう品種ですので」

「最初は驚くだろうねぇ。その黒玉ねぎは」

「ですねぇ…あ、中身は普通だ」

 紫玉ねぎみたいに皮の正面が黒いって品種なのね。因みに鑑定での名前はっと。


【炭玉ねぎ・品質6:採れたてであると皮が真っ黒なことからこの名前が付いた。新鮮な状態であると水分が多く生の状態であっても果物を思わせる甘みを感じるが、乾燥させ保存性を高めた場合は表面の皮が鼠色や白色に変化し石などで叩かないといけないほど硬くなり、驚くほど辛味が増す。食用:皮が黒く新鮮な場合はサラダに。白い場合は割った中身を炒め物やスープに活用すると良い】


 成程……納得しかない名前だな?確か日本でも淡路島の玉ねぎとかは糖度15度越えとかもあって本当にフルーツみたいに甘いんだっけか……今度取り寄せられないか母さんたちに相談しよう。買ったら箱単位で来るだろうし。

「おお甘!」

 試しに水にさらしていない状態のスライスを一枚食べてみるが、本当に果物を思わせるほど甘みが強いな。でもうるさい甘みじゃなくて柔らかい感じでサラダに加えると調和がとれそうな感じだ。しかも玉ねぎらしいあの香りも強くないし……本当にフルーツなのでは?

『んむー!』

「つまみ食いをするなって?へいへい…そんでその手は何だね?」

『ん!』

 どうせなら1口欲しいと…

「1口な」

『あぅ!』

 パクっと食べた後に本当に甘ーいと言うので、時間が経った物は結構辛くなるらしいと伝えたらそれも是非食べたいと言ってきた……そのうちな。


「賑やかでいいねぇ」

「ああ、ベールが小さな頃を思い出すものだ」

 その後もフェルとモルトの声が響くキッチンの中で、着々と準備が進んでいった。




「それでは…恵みに感謝を」

「ええ、感謝を!」

「いただくよ!」

『いやぁう!』

 食膳の祈りを済ませ、各々が気になった料理に手を付けてゆく。俺はもちろんウィーツさんが茹でてフォルクさんがソースを作ったクリームパスタからだ!このフェットチーネなのかタリアテッレなのかよくわからんパスタに、フォン・ド・ヴォーで伸ばしたソースにキノコとオオバコを加えた物を敢えている間のキッチンの香りは凄まじいものだった。思わず唾を飲み込んだからな…隣で垂らしてるのもいたけど。


「美味い……凄いコクだ!」

 このクリームパスタ特有のもったりした感じが、平麺タイプのパスタに程よく絡んで素晴らしい!麵自体も生だから乾麺タイプよりもモチっとした感じがあるし小麦の香りも強い…毎度思うけど朝食のクオリティじゃないって。普通にレストランのいいメニューの味じゃないだろうか?そんないい店に行ったことはないけどな!

『んぅ~!』

「お、フェルも食べ始めは同じだったか」

『んむ!きぅ~♪』


 ほう、キノコが特に美味いと。オオバコを提供した身としてはそっちの感想が欲しかったけど……

「どっちのキノコだ?」

『あむぅ』

「この笠があみあみのやつね――やっばいな」

 これってアミガサタケって呼ばれるキノコだよな?噛んだ瞬間に旨味の波が襲ってきたぞ。しかも少しナッツみたいな感じもあるからクリームパスタとの相性も抜群だ。食感も笠は弾力はあるけどプツっとした感じで、オオバコと合わせるとナッツ感に野草系のちょっとした苦みとシャクっとした感じが合わさって悪くない…柄の部分もコリッとしていてかなりいいぞ!そしてどちらも旨味が非常に強い。ソースに溶けてもいるはずなのにここまで残るのは凄いぞ……確か茹でこぼしたりして毒抜きをする必要があるやつなのに。


「本当はさらに良いものがあるのですが、春が旬な物なため乾燥品も残っていないものでして」

「次の春にはもう少し多く取っておくべきかもしれないね……生える季節になったら採取に付き合いたいだろう?」

「是非とも!」

 春なら他にも野草が大量に生えるからな!今から楽しみだぜ。ただ更に良いものってシャグマだったりしないか?食ってみたかったけど、家で換気するのが怖いんで取らなかったやつなんだよな……味の期待値が上がるぞ!

「ただその前に、お代わりが必要なようだね!」

「んえ?……あっ」

 モルトの前には空になった皿が鎮座していた。

淡路の玉ねぎは本当に甘いのでオススメ。


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