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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第3章 村の宴会
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121話 鍛錬の約束と伝令

『おー』

 プロングさんが嫌がるのを首を傾げて考えていた馬獣人の人だったが、フェルが興味深そうに見ているのに気が付いて首を元に戻した。綺麗な(たてがみ)だなー。

「どうしたんだい?確かフェル君だったかな?」

「ええ、多分筋肉に感心してるんだと思います…こいつ筋力低くて悩んでるので」

 背も高いけどそっちじゃないだろうな。フェルの視線は明らかに脚にいってみるみたいだし。

「そういうことかい。ならばもう少し育ったら僕や村の者たちと共に鍛えるのはどうだい!見事な成長を提供できると思うよ!」

『あぅ!…んぅ?』

「おお、その目はやる気だね!それで何でもう少し育ったら?と思ったので有ってるかい?」

「そうですね」

 会話の内容から推測したんだろうけど、なぜはっきり分かるんだ…フィジカルか?フィジカルなのか?


「答えは単純でね。子供のころから鍛えすぎると弊害が出るからさ…その辺は妖精であっても変わらないってのは前に聞いたことがあるんだ」

「成程。となれば先ずはレベルアップとかで強くなるべきってことですか」

「そんな感じだね。何事も下地を作らなければ鍛えようがないんだよ」

「だそうだぞ」

『むぅ』

 まぁここまで鍛えた人が言うならって納得したらしい。良かった良かった…ムッキムキな妖精とかあんまり想像できんからな……森のフェアリーは天国でゆっくりしていてくれ。


「そう言えば何故ランタンとかを持っていなかったんだい?雑貨屋で売っていただろうに」

「あー…最初の夜が満月だったのと、フェルがいるので基本明るいんですよ」

『んふー!』

「ああ、今も飛んでくれたから納得できるね。狭い洞窟に入る場合とかを考えて1つは持っておいて方が安全だよ」

「確かに、後で買っておきます」

 すれ違いが出来るかぐらいの洞窟になると明らかにフェルが邪魔になっちゃうもんな。その時は今みたいに肩車をするしかないか?それかレベル10になったときにギフトでルクスを選んで――いや、俺は絶対にアクアを選ぶから駄目だな。畑に水を与える手段は幾らあってもいいからな……水魔法は残らないから使えんのよ。


「アドバイス助かります…えーっと」

「うん?ああ、そう言えば名乗っていなかったね。僕はカロッツだよ!基本的に仕事がない時はトレーニングをしているからよろしく頼むよ……おっと、畑も復活したしそっちにいる事の方が多いかもしれないね!」

「こちらこそよろしくお願いします!フォルクさん達が言っていたかもしれませんが、俺がモルトでこっちが」

『ふぇう!』

「フェルです」

「自分で挨拶できてえらいじゃないか。あの時怖がらせてしまったから嫌われたかと思っていたけど大丈夫なようだね」

「あの時は本当に生まれたてだったもんで…」

『んー!あぅーぅ!』

「いや…そらそうかもしれんが」

「なんて言ったんだい?」

「……大柄で筋肉モリモリな人が何人も近づいてきたら普通は怖いそうです」

「ハハハハ!それは確かにそうだ…」

 怒られるかもしれないと遠慮がちに言ったが、予想外に落ち込まれてしまった。連動して鬣が倒れたしどうするよこれ?




「えーっと、こちらからも質問なんですけど何で村の外にいたんですか?」

 どうにか落ちた気分を浮上させるために、違う話題を切り出すモルト。村自体には結界が貼られていて安全なのは聞いたことがあるし、見張りとかじゃないとは思うんだけと。それに見張りをやるなら村の門近くでやるべきだろうから気になるってのもある。


「うん?それは僕が周辺の街まで村の問題が解決したことを伝えに行った帰りだからさ」

「伝令みたいな感じですか?」

「まさにそれだね。周囲に落石があって騒ぎになっているだろうから、ここ2日ほどそれを収めるために周りを巡っていたんだよ」

「それでこんな夜明けまで…お疲れ様です」

 というか周辺の街とかを2日で回りきったってことだよな…流石馬の獣人。2足歩行なのにその力は健在ってわけだ…そういやケンタウロスとかもいるのかな?あれは獣人でいいんだろうか…


「ありがとう!といっても僕からすれば走るのは大得意だし生きがいだから大歓迎なんだけどね」

 ココンと自慢の足を鳴らすカロッツさんと目を輝かせるフェル。良かった気分が戻って…鬣も無事復活だ。正直足の筋力はフェルにいらない気はするけど、憧れを持たせておけばレベル上げにやる気が出そうだし黙っておこう。油生成とか上がってほしいし。

「ああそうだ。モルト君にも村長に伝えてから会おうと思っていたんだよ」

「え、何でですか?」

「いやぁ、先触れ的な感じでここら一帯を治めている領主様の下に行ったんだけどね。執事さんだけに伝える筈が領主様にも話す羽目になって、詳細に現場の声が聞きたいって事でもし時間があれば館に来て欲しいそうなんだ!」

「えぇ…」

 もしって言ってるけどほぼ確だよねそれ…

人間の走るというのを楽しみにする能力とトップクラスの凝り性+馬の持久力の組み合わせってイメージです。

領主との謁見フラグが立ちましたが、ゆるーくやる予定です…徴税官?そこはまぁ背信行為ですんで。


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