116話 食事内容と好み
料理を調べるとお腹がすくな…
「まず確認なんだが、ジャガイモのガレットは出てないよな?」
『んぬ?ん!』
何でそんなことを聞くのかと言われたが、流石に予知夢ではなかったらしく出ていないようだ。まぁ、フェルが食事中に俺を見て煽るってことはしないか…多分ピリンさんへの行動とシーズの動きが混ざって出来たナニカだったんだろう。
「そういや夢での服もワンピースだったな……大分面白い状況にはなってるし、村を出て姉ちゃんと会った後はシーズを探してみるか」
『しーぅ?』
「シーズってのは俺が一番最初に出会った妖精のことだよ。お前とは…結構相性良さそうだな」
『あぅ』
初対面は緊張するって?大分人馴れはしてきたと思うけど、そこはまだ難しいか…いや最初から警戒心ゼロで近づくってのも問題だしこれでいいのか。
「んじゃ先のことは置いといて、昨日の食事確認だ!」
『やぁー!』
この気合の入れよう。大分真剣に覚えてくれていたようだな!楽しみだ!
『んむー』
「なんだ?机を見ろって?」
早速とばかりに話を聞こうとしたが、まずは机の上を確認しろとクイクイ引っ張りながら指を差すので、立ち上がって机の上を見る。
「おお!メモがおかれてる!」
フォルクさんがレシピを書いておいてくれるって言ってたけど、本当に書いてくれていたのか。しかも何枚かに分けて書かれているし注意点もあるぞ…めっちゃ助かる。
「しかもフェルが気に入った料理については赤丸が付いてるし分かりやすいな」
『んん!』
「一番のお気に入りには花丸が付いてるって?…あ、本当だ」
えーっと、グヤーシュってのか…グヤーシュってなんだ。レシピは牛肉にパプリカと玉ねぎ、ジャガイモとセロリアック――根茎が肥大化したセロリでその部分を主に食べる種類のことだ!――等の様々な野菜にクミンにローリエやニンニクの香辛料を加えて煮込むと。成程スープ料理だな?んで好みでケッパーや唐辛子を加えてもいいと。
「今回のは両方加えていたのか?」
『あぅ!』
「ケッパーだけだったと…別に唐辛子は入ってなくてもいいんだな」
『んぅ…あう』
ちゃんと辛味と味が良ければいいと…後スパイシーさがあれば一番うれしいのね。特に香辛料がふんだんに使われてる料理が好みってことか。このゲームの香辛料の値段が高いかどうかわからんけど、そこは気にしなくてもいいか――買えんなら現地で摘みに行けばいいんだからな!
その後も最初の朝食からメモの順番通りに味の感想とレシピを確認していったモルト達。
「確かにジャガイモのガレットはなかったな」
『んむ』
「代わりにキッシュはあったけど…」
『ん…』
やはり予知夢か?いやでも使われていたのはアスパラガスにほうれん草の方だったそうだし、セーフだろう。フェルもただただ美味かったって言ってるし――レシピにジャガイモも入ってるなこれ。
「ただ普通のステーキとかはあんまり進まなかったみたいだな?」
胡椒の効いたソースだったみたいだけど、半分ぐらいで手が止まってしまったらしい…残りはウィーツさんが食べたから無駄にはなっていないからそこは安心だ。
『やぁう…んや!』
「何?確かに辛味はあったけど、野菜が使われてなかったと?」
成程?確かにパネットさんの所で食べて気に入ったらしいカチャトーラは玉ねぎにトマトがふんだんに使われていたし、グヤーシュってのとキッシュも野菜が多めだ…ドライアドだし野菜好きってことか?共食いじゃない?
「いやでも、あの時デザートのティラミスは結構食ってたよな」
『んむ…むぅ!』
「あれは牛乳だけだし問題なかったと…それに牛のステーキなら問題ない?ならなんで今回のステーキはダメだったんだ」
『ぐぁう!』
「ドラゴンステーキだったからと…成程――ドラゴンステーキ?」
フォルクさん、どこが普通のステーキなんですか?
グヤーシュ=グーラッシュという料理です。モルトが知るのは今回のログアウト後…
フォルクのマジックバッグには主にドラゴン系の素材がいっぱい入っています。
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