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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第2章 生まれたての妖精
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閑話 通知は騒動

現実の登場人物の名前どうしよう…

 ポーン!ポーン!ポーン!

「何だ?折角家に帰ってきて優雅な風呂だったってのに」

 MCO開発室の室長である男が浴室から上がり、今日寄った居酒屋は当たりだったなと考えていたところでスマホに通知がやってきた。しかも通知音から察するにMCO内の重要通知の様だ。


「つってもエリア1のボスが初討伐されたとかそんな感じのやつだろ…う」

 スマホのロックを解除しながら暢気なことを考えていたが、メールの内容を確認すると


<ウェンス王国:エリア3隠し村ファティリにて、フェニス山のエルダートレントが討伐されました>

 そう簡潔に書かれていた。


「はぁ?」

 エリア3だと?…まだ誰も侵入したって通知は来てない筈なんだが。バグか?

「いや、この通知は隠し村のやつだ…そんでファティリ……あいつか!?」

 彼の脳裏には異転してから燃える山より畑を観察し、ゴブリンをテイムしようとしていると思ったら周囲一帯のゴブリンを殲滅。更に隠しクエストを発生させ見事にユニーク妖精を仲間にした土色の髪をした少年プレイヤーが現れていた。


「突拍子もねぇことをする奴だとは思っていたが、まさか俺が店でつまみと酒を楽しんでる間にこんな事になってるとはな…」

 定時に上がって気になっていた居酒屋に寄れていい気持ちで帰ってきたと思ったら、これだ。ゲームの神様ってのは製作者たちに責め苦を与えるのが好きなのかね?

「つってもあのエルダートレント自体は村の作物の成長を阻害するってだけで、そこまで影響のあるやつじゃないのが幸いか」

 ここに討伐に成功した彼が居たら物凄い勢いで否定されていたことだろう。


「ただどうやってアレを倒したってんだ?一応あんま強くないとはいえレイド想定のボスにしてあったはずなんだが…仕方ねぇ、今から確認すっか」

 すると、プルルルル…とまたもやスマホから通知が。今度は電話のようだ。

「ったく、はいこちら」

 ”室長!通知確認しましたか!?”

 耳元から響くキーンとした声。


「声がでけぇっての!」

 ”あ、すみません!興奮してつい”

「まぁ気持ちは分からんでもないがな。ファティリの件だろ?」

 ”はい!あのプレイヤーがまたやりましたね!”

「やりましたってか、こっちからすりゃやらかしてくれたんだがな。開始から色々と起こしすぎだってんだよ」

 他のプレイヤーも色々とやってくれてんだが、どうしても隠し村のプレイヤー達は注視するから一挙手一投足それぞれが記憶に残っちまうんだ…サワスの奴もアレで掲示板を騒がしてやがったしな。


「これから記録映像を確認するが、お前もインするか?」

 ”いいんですか!?社外での確認って手順が必要なんじゃ?”

「今回は重要項目だし俺から部長にその旨を送っとく…こういうのは生モノだからな。早いところ挙動やらを確認しておいて損はないだろ?」

 ”ですね!俺の方から他の人には連絡しておきます!”

「おう。ただ無理に入る必要はないってのは伝えておけよ。手当は出るとはいえ業務時間外だからな」

 ”了解です!”

「後、俺も部長に連絡すっから30分ぐらい接続は待っとけよ」

 ”わっかりました!では送り始めるので失礼します!”


 プツン

 元気の良い声そのままに通話が切られた。

「相変わらず元気がいいなアイツは…さて、俺も部長に連絡をっと」

 ピコン!

 スマホを操作しメールを開こうとしたところで新しい通知がやってきた。


「今度はなんだ?」

 通知欄を確認すると、そこには部長の名前が書かれている。

「件名がレイドボス討伐に関してのボスの挙動とプレイヤー及びNPCの行動確認について……こういう時に限って連絡早いんだよなぁ」

 本文に使用したアイテムや飛行の整合性やらお堅い言葉で書かれちゃいるが、要は気に入ったプレイヤーがボス倒したから鑑賞会しようぜって事だよな?文の端々から喜びというか興奮が伝わってくるわ。


「もうあっちの鍵は開けてあるって書かれてるし、髪乾かして部屋に戻ったら接続すっか。……返信は面倒なんで即合流でいいだろ。ただアイツにもう入れるってのは送っとくかね」

 ただ気になる単語が部長のメールにあったんだよな。飛行の整合性ってどういうことだ?


 その彼の疑問は、鑑賞会のクライマックスで判明することになった。

「……めちゃくちゃだろ!?」

「はっはっは。やはり面白いことをしてくれますねぇ」

 部長は大変ご満悦だったそうな。

農耕プレイをしてくれそうなので、部長からモルトは気に入られています。ただそれで贔屓はしない人です。

次回は本編に戻ります!掲示板会はまた今度ということで…


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