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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第2章 生まれたての妖精
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96話 出力と置換

ようやくこのスキル出せた…

 無事?切り株まで飛行したまでは良かったが、無理やり繋げられた幹からの妨害により甕を割られてしまった…奇天烈な攻撃してきやがって。いや自分が生き残るためだがら必死なんだろうけどさ!

「割と順調だったのに、こういう予想外が出ちまったかぁ」

 いや再生が早いから切り株から脇芽でも生えて攻撃してくるんじゃないかとは思ってたけど、あれは分からんよ…よく見たらご丁寧に樹皮下の形成層に根が繋がってやがるし。幹から水分が漏れ出していないことを疑問に持つべきだったか?


「さて、どうすっか……幸いもう1つ甕はあるけど」

『あぃ!』

 やっぱり予備を作っておいて正解だった。素人の作戦なんて失敗するのが前提だしな!……自分で言ってて少し悲しくなるが、事実だからしゃーない。

「明るく言ってるが、お前は予備作るの不満だったろうに」

『ぷふぅー』

 覚えてないなぁと音のない口笛を吹くフェル。全く調子のいい奴め…


「こりゃ少し考えないとな…幸いここまで飛んでくれたおかげで、エルダートレントの種がここまで届かなから考える時間はある」

『むふー』

 何度か飛ばしてきたんだけど途中で左右に逸れて落ちて行ってるんだ。結構な高さまで飛んで若干怖いから下がってもらおうかと思ったけど、アレを見て言うのをやめたよ…落ちた種が外周のチャコールトレントをスパンと切ったのを見たらだれでもそうするだろ?


『――む?』

 ゴオオオォ、シュゴッゴオォ……

「お、おお?」

 今一瞬ガクンと高度が下がったな…音が弱まるような感じがあったし、もしかして?

『んむむむむ!』

「やっぱり一気に上がったのは限界があったか!?が、がんばれフェル!もし落ちたらあの種でスパンっていくぞ!」

 流石に出力全開を維持するのは厳しかったか!?今もゆっくり下がってる!


『ぬー!』

 フェルが頑張ってくれてるが、検討むなしく少しずつではあるが下がって来ている…んで何度も上下に移動するから少し酔ってきたぞ。

「流石にこの出力はきついか」

『うぬぅ…』


 まぁこの出力が出せるわけないよなぁ。さっき風魔法を取得したって出たからここまで強いジェットになったんだろうけど、レベル1だから弱いだろうし。

『んむ~!』

「おうっぷ…ここまでぎゅんぎゅん動かれるとこっちの方がきつくなるな」

 どうせならピリンさんやパネットさんみたいに瞬時に移動するレベルの方が良いかもしれん――ん?

「移動…範囲は分かってないけどやるしかないか」

『ふぬ?』

 一応ゴブリンで片方は試したし何とかなるだろ。範囲とかは全くわからんけどな!


「そういや握力はまだ大丈夫か?」

『んー…あぅ!」

 そっちは何の問題もないか…なんならまだまだ余裕っぽいし、凄いな強化付与。ただ確認のために俺の横腹をにぎにぎするのはくすぐったいからやめてくれ!

「なら次弱まるタイミングで切り株に向かっていくぞ!きたら教えてくれ!」

『むぅん!』

「おわぁ!?」

 ギュイン!体が逆さまになり重力も合わさった急スピードで落ちるように迫ってゆく。丁度のタイミングすぎる!


「次のタイミングって言ったろうに!」

『んむぬぅー!?』

 文句を言ってる感じだ…もしやそう言ってられないぐらい限界が近かったか?

「ってそんなこと気にしてる場合じゃない!甕を出してうぉっと!?」

 さらにガクンと落下速度が上がった!

「この甕大分重いもんな!…ちょっと厳しいけど耐えてくれよフェル!」

『んぐぅうー!?』

 周囲に種が飛び交うようになった中、悲鳴を上げながらも何とかジェットの調整で左右に避けてくれている。いいぞフェル!後で濃縮薬は多く出してもらえるように頼んでおくぞ!


「いよし!切り株間近だ。これで落とせばっ!」

 ビュンと狙いすましたかのように甕を狙って飛んでくる1粒の種。しまった!今まで飛ばしてきてたのはブラフか…これじゃ当たって――なんてな。


「アスポート!」

 そのスキルを唱えたのと同時に手元にあった甕が消え去り、切り株の中心2メートルほど上空に突如出現した。

 ヒュッ…ガシャンッ!

「ビンゴ!限界まで遠くにって念じたけど上手くいったなぁ!」

 そのまま甕は妨害されることなく落下し割れ、中身の液体をぶちまけてくれた。アポートの時に実験できなかったけど結構遠くまで出来るじゃないか…こりゃゴブリン共に不意打ちで石落とすのが捗りそうだなぁ!


「そんじゃあフェル!随分待たせたけどエディーファイヤをアイツに放ってくれ!」

『んぐぐぐ…んぬぬ?』

 頑張って避けてくれている中、大丈夫か?と心配した声が返ってきた…いや俺が大丈夫なのか聞きたいけど?

「準備は出来てるから気にするな!アレが防がれたらどうにもなくなっちまうから早く!」

『んぐ~!んや!』

 パッ…


「え?」

 背中の感触がなくなり、上に引っ張られる感覚も無くなった…思わず後ろを見ると、そこには両手でエディーファイヤを唱える動作をするフェルが。

「あ~、だから大丈夫かって言ったのね…」

 ズゴン!

次回戦闘終了…予定です!


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