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M・C・O 植物好きの道草集め  作者: 焦げたきなこ
第2章 生まれたての妖精
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94話 回想と大役

前回ああなった経緯の説明!…結構脱線してるな?

そして今更ではありますが、第6回HJ小説大賞にて1次選考を通過しておりました!本当にびっくり…

 直線番長と化したフェル急便でグングンとボロボロになったエルダートレントに近づく最中、モルトは今回立てた作戦を走馬灯のように思い返していた。


 タポンッ

「よしよし、甕が満杯になるな」

『ぷぅー』

 やっと溜まったと言った感じで額を拭うフェル。いやそんなに時間掛かってないだろうに…MPの消費も少ない筈だし。


「パネットさん一応もう2つ頂けますか?」

「はいはーい、お安い御用よ~」

『んぬぅ!』

 何でもう2つ貰うの!この2つで十分でしょと満杯になった甕を指さすが

「予備だよ予備。素人が考えた作戦なんだから失敗するかもだろ」

『む』

「結構大事なことなのよ~?私も予備は持っておくもの~」

「あたしも農具の予備は準備してるね!」

『むぅ…』

 タパタパタパ…

 他の人の意見もきたことにより、なら仕方がないかと甕に溜め始めた。ただ納得はいってないのか口はへの字のままだ…いやこっちをチラチラ見てるから不満な態度を見せて何か貰おうって魂胆だな?そうはいかんぞ。


「お母さんは予備が多すぎるけどね…お店に調理道具がいくつあると思ってるの」

「あれはパパが今使ってるものより良いものが出来たって何度も渡してきた結果よ~。私が良いものを使って料理がしたいって言ったのが原因ではあるのだけど~」

「そうだとしても彼は作りすぎていますがね。いつか崩れるのでは?」

 何だろう、かっぱ橋の道具街みたいなレベルで鍋とかが積みあがってる光景が頭に浮かんだぞ。食事処のスイングドア奥が気になってきたが、今はそこを気にすることじゃないよな…俺が良い農具や採取道具が欲しいってプロングさんに頼めば同じようにやってくれ――いかん話を戻さないと。


「個人的にめっちゃ気になりますが、今はちょっと検証したいことがあるので…フェル!溜め終わったのにそこでチラチラしてると逆に報酬を減らすぞ!」

『んぬ!?…あ~ぅ♪』

 ギクッとした動きをしたと思ったら、俺に向かってすっ飛んできて終わったよ!とでも言いたげな顔と声で迫ってきた。調子のいい奴め…まぁ他の人がいても結構素が出せてるんだから成長と思っておくか。


「さてと、ピリンさん。フェルに筋力アップの付与をお願いできますか?」

「筋力?頑強じゃないの?」

「頑強は少し上がったところでどうしようもないので。因みにどこまで上がります?」

「そうねぇ、私が出来る強化付与はハイまでだから……20ぐらい上がるかしら」

『おぉー!』

 めっちゃ上がるやん。正直基本的な物って聞いたから初歩的なやつだけだと思ってたのに想像より遥かにいいぞ。フェルも自分の筋力がかなり上がるとわかったのか興奮してる…一時的にだからな?


「でも筋力を上げてもフェルちゃんって近接攻撃なんてしないと思うのだけど」

「ああそれはですね…フェル、背中に張り付いてジェットを強く吹いてみてくれ」

『?…あぅ』

 言われたとおりに張り付き、足から強く放出し始める…そして。


 ふわっ…ギギギ、バヒュン!

『んぬぁー!?』

「うおっと…やっぱりこうなるか」

 一瞬浮遊感を覚えたかと思うと、すぐにフェルが背中から手が剝がれ吹っ飛んでしまった。


「……もしかしてモルトや、飛ぶつもりかい?」

「ええ、そのもしかしてをやってみようと思いまして。20筋力が増えればいけますかね?フェル自体は9だけなんですけど」

「可能ではあるでしょうな。ただあまり長くはないでしょうが」

 なら大丈夫だな。元々向かって帰ってくることだけを想定してるし、距離もそんなあるわけじゃない。


「ただ本当は俺やフェルは牽制だけして、この役目はパネットさんやフォルクさんとかにやってもらった方がいいんですけど…かなり重要になりそうですし」

「思いついたんだからやってみようってわけかい!良いじゃないか!」

「若いうちは何事も経験ですからな。幸い私たちが居ますからすぐに立て直しは可能ですよ」

「最終手段に私がそのまま砕くってのもあるから思いつめなくても大丈夫よ~」

「あんたのはアレを砕くだけにならないからダメに決まってんだろう!」

「あははは…一応こっちの2つの甕は上手くいかなかったときの予備としてパネットさんに持っていて貰おうかと」

「あらそう?なら全力は必要なさそうね~」

 是非そうしてください。


『んむぅ!』

 吹っ飛んだフェルが文句を言いながら戻ってきた。

「酷い目にあったって言ってるわ~」

「すまんすまん…そのまま出来るかなーと思って」

『ぬ!』

 拳を握り腕を内側に曲げて指を差す…この筋力で出来るかって言いたいのか?

「うん、後でプロングさんにダンベル作ってもらおうな」

『あぅ…』

 自分でやって若干凹んでるんじゃないよ。


「それは否定したいけど――ンンッ…取り敢えず私はフェルちゃんに筋力を上げる付与を掛ければいいのね?モルト君にはなにすればいいの?」

 背後にパネットさんを感じたのか、咳払いをして気分を入れ替えて俺のことも聞いてきた。後ろでいい笑顔してるなー…

「そうですね…風に耐性ができる付与ってありますか?」

「風ね!全力で掛けてあげるから任せなさい!」

 視線から逃れるように俺に近づいて付与を始めた…これで何とかなるだろ!




「なってねぇぞ過去の俺ー!」

『んやぁー!』

 叫び声を発破材と認識したのか、さらに火力がアップした…もうどうにでもなれ!

次回甕の中身が明らかに…下手すると次々回になります。


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