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サイエンティスト

作者: 曲げモーメント
掲載日:2022/03/31

ボ 「マッド・サイエンティストってカッコいい響きじゃない?」


ツ 「マッド・サイエンティスト?」


ボ 「なんかカッコよくない?」


ツ 「カッコいいって言われても意味がなぁ」


ボ 「意味?」


ツ 「狂った科学者って意味でしょ」


ボ 「いや、意味は知らない」


ツ 「知らないで言ってたの!?」


ボ 「狂った科学者かぁ…なんかイイネ」


ツ 「…大丈夫か!?お前も狂った?」


ボ 「マッド・サイエンティストになりたい」


ツ 「何のためにだよ!普通の科学者でもいいじゃん!」


ボ 「改造人間を作りたい」


ツ 「だから、何のためにだよ!」


ボ 「人類の進化のためにだよ!遺伝子を操作して、新人類を作る!」


ツ 「できねえよ!そんなことより、まともな人間生活を送れ!」


ボ 「まず、銀座で脱毛サロン帰りのちよっと小綺麗なOLを捕まえます」


ツ 「犯罪だよ!そんなことしたら普通に誘拐だよ!」


ボ 「そして、遺伝子を操作して体毛を濃くします!」


ツ 「…何のため!?」


ボ 「そして耳元で囁きます『我が輩は体毛が多い女性が好みだそ』と」


ツ 「気持ち悪いな!そもそも、体毛を濃くするなら脱毛サロン帰りのOLじゃなくていいだろう!」


ボ 「嫌がらせだよ!」


ツ 「ただの嫌がらせ!?」


ボ 「なんか腹立つじゃん、銀座の脱毛サロンに通ってるOLなんて」


ツ 「偏見が酷い!」」


ボ 「一人暮らしのクセに、広めの部屋に住んでて、トイプードルとか飼っててるんだろ?」


ツ 「そして、インスタはトイプードルと、お洒落だけが取り柄でクソ高いカフェの写真ばっかりなんだ

ろ…なんか、腹立ってきたな!」


ボ 「だからもう少し懲らしめてやるんだよ」


ツ 「おう、何するんだ?」


ボ 「お尻を真っ赤にしてやる」


ツ 「お尻を真っ赤?」


ボ 「そして、尻尾をつけてやる!」


ツ 「…猿じゃねえか!?毛がボーボーでお尻が赤くて、尻尾があるってそれは猿だろ!」


ボ 「これで人類ははまた一つ進歩した」


ツ 「退化だよ!人から猿に変わったんだろ、退化だよ!」


ボ 「人から猿に進化したのだ!」


ツ 「ねぇ、進化論って知ってる?」


ボ 「しんかろん?インスタ映えして、自分では絶対買わないけど貰ったら嬉しくて、ママ友の間でマウント取れる、甘くて、無駄にカラフルなお菓子ランキング1位のもの?」


ツ 「…マカロンか!?分かりづらい勘違いするな!ねぇ、進化論だよ?知らない?ダーウィンだよ」


ボ 「あっ、僕、理系なので世界史苦手です」


ツ 「ゴリゴリ理系だよ!そんなレベルでよく遺伝子操作って言葉知ってたな!」


ボ 「私はあくまで闇の存在だから」


ツ 「答えになってねぇよ!」


ボ 「近所で噂のマッドサイエンティストだ!」


ツ 「噂の範囲せめぇな!」


ボ 「3丁目の中でそこそこ有名になれれば満足」


ツ 「もう少し頑張れよ!新人類を作る!って気概はどこ行ったの!?」


ボ 「これが人助けにもなるんだよ」


ツ 「どういうこと?」


ボ 「これでインスタの『へー、可愛い』以外の言葉が許されていない、見たくもないトイプードルとの

ツーショット見せられることがなくなる」


ツ 「そうなるの?」


ボ 「猿が犬飼えないでしょ!なんて言ったって犬猿の仲だからな!」


ツ 「…何言ってるの!?」


ボ 「あー、でも桃太郎では猿とキジ、犬猿の仲だけどなんやかんや上手くやってたからもしかしたら作

戦失敗か?ねぇ、どう思う?」


ツ 「どうも思わねぇよ!ねぇ、ずっーと何言ってるの!?」


ボ 「猿に進化することによって色々と利点もあるんだよ」


ツ 「利点?例えば?」


ボ 「まず、木に登りやすくなる!」


ツ 「いつ役に立つんだよ!?」


ボ 「何かモテる?」


ツ 「女性舐めんな!?木登りでモテるのは小5の夏休みまでだから!他に利点ないの?」


ボ 「いつも以上にバナナが美味しく感じる!」


ツ 「嬉しくねぇよ!」


ボ 「日光で軍団が作れる!」


ツ 「猿軍団!?いらねぇよ!」


ボ 「さっきから猿のこと馬鹿にしてない?」


ツ 「別に馬鹿にはしてないけどさ…」


ボ 「古来より猿は信仰の対象でもあったんだよ!」


ツ 「へぇ…だから?」


ボ 「色々なことわざや、慣用句にも猿は登場するだろ ほら、猿知恵・猿真似・猿も木から落ちる」


ツ 「全部良い意味ではないな!


ボ 「まぁ、僕も猿になるなんて絶対嫌だけどね!」


ツ 「お前もかよ!」


ボ 「どうせなら、犬に産まれて、銀座の脱毛サロンに通うOLに飼われる生涯を送りたい」


ツ 「結局犬かよ!もういいわ」


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