サイエンティスト
ボ 「マッド・サイエンティストってカッコいい響きじゃない?」
ツ 「マッド・サイエンティスト?」
ボ 「なんかカッコよくない?」
ツ 「カッコいいって言われても意味がなぁ」
ボ 「意味?」
ツ 「狂った科学者って意味でしょ」
ボ 「いや、意味は知らない」
ツ 「知らないで言ってたの!?」
ボ 「狂った科学者かぁ…なんかイイネ」
ツ 「…大丈夫か!?お前も狂った?」
ボ 「マッド・サイエンティストになりたい」
ツ 「何のためにだよ!普通の科学者でもいいじゃん!」
ボ 「改造人間を作りたい」
ツ 「だから、何のためにだよ!」
ボ 「人類の進化のためにだよ!遺伝子を操作して、新人類を作る!」
ツ 「できねえよ!そんなことより、まともな人間生活を送れ!」
ボ 「まず、銀座で脱毛サロン帰りのちよっと小綺麗なOLを捕まえます」
ツ 「犯罪だよ!そんなことしたら普通に誘拐だよ!」
ボ 「そして、遺伝子を操作して体毛を濃くします!」
ツ 「…何のため!?」
ボ 「そして耳元で囁きます『我が輩は体毛が多い女性が好みだそ』と」
ツ 「気持ち悪いな!そもそも、体毛を濃くするなら脱毛サロン帰りのOLじゃなくていいだろう!」
ボ 「嫌がらせだよ!」
ツ 「ただの嫌がらせ!?」
ボ 「なんか腹立つじゃん、銀座の脱毛サロンに通ってるOLなんて」
ツ 「偏見が酷い!」」
ボ 「一人暮らしのクセに、広めの部屋に住んでて、トイプードルとか飼っててるんだろ?」
ツ 「そして、インスタはトイプードルと、お洒落だけが取り柄でクソ高いカフェの写真ばっかりなんだ
ろ…なんか、腹立ってきたな!」
ボ 「だからもう少し懲らしめてやるんだよ」
ツ 「おう、何するんだ?」
ボ 「お尻を真っ赤にしてやる」
ツ 「お尻を真っ赤?」
ボ 「そして、尻尾をつけてやる!」
ツ 「…猿じゃねえか!?毛がボーボーでお尻が赤くて、尻尾があるってそれは猿だろ!」
ボ 「これで人類ははまた一つ進歩した」
ツ 「退化だよ!人から猿に変わったんだろ、退化だよ!」
ボ 「人から猿に進化したのだ!」
ツ 「ねぇ、進化論って知ってる?」
ボ 「しんかろん?インスタ映えして、自分では絶対買わないけど貰ったら嬉しくて、ママ友の間でマウント取れる、甘くて、無駄にカラフルなお菓子ランキング1位のもの?」
ツ 「…マカロンか!?分かりづらい勘違いするな!ねぇ、進化論だよ?知らない?ダーウィンだよ」
ボ 「あっ、僕、理系なので世界史苦手です」
ツ 「ゴリゴリ理系だよ!そんなレベルでよく遺伝子操作って言葉知ってたな!」
ボ 「私はあくまで闇の存在だから」
ツ 「答えになってねぇよ!」
ボ 「近所で噂のマッドサイエンティストだ!」
ツ 「噂の範囲せめぇな!」
ボ 「3丁目の中でそこそこ有名になれれば満足」
ツ 「もう少し頑張れよ!新人類を作る!って気概はどこ行ったの!?」
ボ 「これが人助けにもなるんだよ」
ツ 「どういうこと?」
ボ 「これでインスタの『へー、可愛い』以外の言葉が許されていない、見たくもないトイプードルとの
ツーショット見せられることがなくなる」
ツ 「そうなるの?」
ボ 「猿が犬飼えないでしょ!なんて言ったって犬猿の仲だからな!」
ツ 「…何言ってるの!?」
ボ 「あー、でも桃太郎では猿とキジ、犬猿の仲だけどなんやかんや上手くやってたからもしかしたら作
戦失敗か?ねぇ、どう思う?」
ツ 「どうも思わねぇよ!ねぇ、ずっーと何言ってるの!?」
ボ 「猿に進化することによって色々と利点もあるんだよ」
ツ 「利点?例えば?」
ボ 「まず、木に登りやすくなる!」
ツ 「いつ役に立つんだよ!?」
ボ 「何かモテる?」
ツ 「女性舐めんな!?木登りでモテるのは小5の夏休みまでだから!他に利点ないの?」
ボ 「いつも以上にバナナが美味しく感じる!」
ツ 「嬉しくねぇよ!」
ボ 「日光で軍団が作れる!」
ツ 「猿軍団!?いらねぇよ!」
ボ 「さっきから猿のこと馬鹿にしてない?」
ツ 「別に馬鹿にはしてないけどさ…」
ボ 「古来より猿は信仰の対象でもあったんだよ!」
ツ 「へぇ…だから?」
ボ 「色々なことわざや、慣用句にも猿は登場するだろ ほら、猿知恵・猿真似・猿も木から落ちる」
ツ 「全部良い意味ではないな!
ボ 「まぁ、僕も猿になるなんて絶対嫌だけどね!」
ツ 「お前もかよ!」
ボ 「どうせなら、犬に産まれて、銀座の脱毛サロンに通うOLに飼われる生涯を送りたい」
ツ 「結局犬かよ!もういいわ」




