オールド ゾンビ 外伝
コロナ禍の新年が又開けた。
大柴は去年に引き続き、二年連続で施設で施設で年を越したのだ。
きっと多くの人は家で紅白歌合戦を見て、美味い酒でも飲んでいることだろう。
大柴は夜勤明けの9時迄は大好きな酒を飲む事は出来ないのだ。
ネットのティーバーの見逃し配信で昔のドラマでも見て、気を紛らわしている。
大柴の好きな小説家に団鬼六賞を受賞した、沢里祐二と言う作家がいる。
とてつもなくエロで、アホな作風はいつも大柴をなごませる。
きっと沢里なら、こんな夜のエロは除夜の鐘に合わせて108回ピストンするだんじょを描くのじゃないかと想像していた。
煩悩の数だけ腰を打ち据えて、二人でエクスタシーに達する。
そんなカップルが日本国中に5組は居ないかも知れないが、3組位は居るんじゃないかと思ってしまうのだ。
全く一睡もしないで15時間以上暗い施設に閉じ込められていると、アホな事しか考えられないものだと、我ながら呆れてしまう。
そうだ、「あけおめ」メールをしなければならないな。
それにしても15時間というのはとても長いとつくづく感じていたのだった。