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いのちの詩(仮題)

木偶(七五のしらべ)

作者: 浮き雲

私自身がでくのぼうだからかもしれませんが、木偶の坊(でくのぼう)という言葉が好きです。同じように、他人の不器用(でくのぼうらしさ)が愛しかったりします。

上手く生きようとすれば捨てるしかないものですが、振り返りみると、山積みになって忘れ去られた、それらが、とても愛しく思えます。いつか、ひとつひとつ整備をして、また動かしてみるのも悪くはありません。



他人(ひと)を信じていない()は 仮面で顔を覆いましょう


我を忘れて素顔にて 月の光を浴びたなら


魔法の糸が(ほど)けだし


(ふいご)の胸が吐く息は


機械仕掛けの唇で 呪詛(じゅそ)の言葉へ変るでしょう


もし、辛いなら


仮面の顔を笑みに変え 月の光に背を向けて


光とどかぬ場所へゆき 軋む背中を丸めましょう




機械仕掛けのからだには 止めることなどできません


(こす)れ合う、この歯車の 中に生まれる哀しみは


無慈悲を刻む時計にて


心のネジが緩むまで (ふいご)の胸がしぼむまで


呪う言葉は続きます


もし、辛いなら


木偶(でく)人形の浅知恵で おのが心を壊しましょう


仮面の下のからくりが ()びる涙を流しましょう




割れた仕掛けを手放して


役にも立たたぬ夢や愛 惜しげもなしに捨てるよう


どれほど、我を消しましょう



振り向きみれば、月の下


山積みされた木偶の坊(デクノボウ) (かばね)(さら)し、浮かびます



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