日本の特殊部隊(陸上自衛隊特殊作戦群及び海上自衛隊特別警備隊)概要
陸上自衛隊特殊作戦群の携行する銃は、他部隊が89式や20式小銃なのに対し、特殊作戦群は、アメリカ陸軍と同じM-4カービンを所持している。この銃にはM203グレネードランチャーが取り付け可能である。特殊作戦群の戦闘要員になるには、厳しい選抜試験が行われて、最終的には戦闘要員と成れるのは志願者全体のわずか10%程度と言われている。しかも、レンジャー資格を持つ3等陸曹以上の者にしか受験資格がない。実に狭き門である。入隊後には各種語学訓練や市街地戦闘などで必要な近接格闘訓練、核・生物・化学・狙撃・情報・心理戦などの、専門技能の他に、自由降下や潜水・山岳潜入のいずれかの特殊潜入技能を修得しなければならない。隊員の能力の高さは、隊員一人で並の陸上自衛隊1個中隊(約200人)に相当する戦力を持つと言われている。
そして、この話のモデルになっている海上自衛隊の特殊部隊である特別警備隊(SBU)についても少し触れておきたい。広島県呉基地所属で江田島を拠点に作られた、海上自衛隊初の特殊部隊で、海の特殊部隊らしい高度の潜水能力や、身体能力は勿論の事、他国の船舶でも対応出来る様に、高度の語学力を身につけたエリート集団である。アメリカ海軍最強と言われるネイビーシールズの別動隊「ファスト」としばしば合同訓練を行っているが、SBUはこの「ファスト」と同等のレベルを維持していると言われている。
ここまで紹介してきた諸外国と日本の特殊部隊の概要はざっくりするとこんな感じである。見ての通り、これ等の特殊部隊は、その任務の特性上詳しい文献や、データが限られている。その為、一般の国民には周知が行き届いていない事が多い。国民には知る権利があるが、もしこれらの部隊が国民の知らない所で、彼等が活躍するのも考えものである。




