デルタフォースと中国陸軍特殊部隊特殊兵大隊
デルタフォースは、1970年代に対テロ部隊として創設され、隊員はあらゆるテロを想定した過酷な訓練を課されて鍛え抜かれる。近年においては、イラクやアフガニスタンでの人質救出作戦や、テロリストの拘束等で活躍しており、イラク戦争では逃亡するフセイン元大統領を拘束した。
一方、中国にもこういった特殊部隊はある。それが、中国一のエリート部隊"特殊兵大隊"である。1988年に広州軍区で創設されたが、2002年に外国武官団に模倣戦技を披露するまでは、存在すら知られていなかった。兵力は1000~2000人で、「特殊偵察」と「直接行動」を主任務とする。
「特殊偵察」とは、敵勢力に対するありとあらゆる情報を収集する事である。例えば、敵の指揮体制や管制、通信、情報伝達、監視システムがどうなっているか、また大量破壊兵器を所有しているかいないか、防空陣地は何処が?あるいは飛行場、軍港、鉄道、橋梁と言った交通インフラが何処にあるのか?兵站の集積地は何処かと言った情報を集める。など、多岐に渡る。
「直接行動」とは、敵の陣地への急襲や人質救出、テロへの報復、要人の捕獲などに直接関わる事である。こうした任務は極めて過酷なモノなので、体力・格闘・射撃能力は言うまでもなく、潜入調査や情報収集の際に必要な知的能力にも長けていなければならない。また、任務の得異性から装備に関しても、ハイテク機器が最優先で供与される。例えば、全地形対応の8輪バギー車や、サバイバル携行食、携帯型のGPS、デジタル偵察装置、通行衛星セットなどがそれである。




