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黒い桜~The black cherry blossom ~  作者: 佐久間五十六


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そうは言ってもSBU

 敵も本気で殺しにかかって来る事を忘れてはいけない。油断した先にあるのは、絶対の死である。その辺りの危機感を養う事が出来るのは、実戦だけだ。しかしながら、実戦と言うモノは望むだけでは出来ない。

 そこで重宝するのが同盟国との軍事演習であり、日々の模擬演習である。殺るか殺られるかという命のやり取りまでを、正式に再現出来るものではないかもしれないが、実戦感覚を研ぎ澄ませる事は出来る。敵がどの様な心理状態にあるのかを知っているかいないかで、戦況は大きく変わる。

 軍事演習において習得しなければならないのは、第一にそこである。そして、それらの回数を重ねる事によって深まって行く、戦闘行動のパターンと照合して行く作業も同時に必要になって来る。特殊部隊である以上は、一般の部隊と同程度の選択肢しか無いようでは、困る。

 勿論、隊員達はその自覚を持って日々の訓練に取り組んでいる。厳しい訓練の全てが、戦場で結果を出すのと同時に、死なない為のスキルが身に付くと言える。それが当たり前の為、自と疑問や不満は少なくなる。

 無論、人で構成されている組織である以上、ノンストレスという事は無いだろう。何等かの形でストレスは発生するだろうし、それはもしかすると、海上自衛隊のどの部隊よりも、大きいものかもしれない。

 実際に、格闘訓練中にはらいせでリンチまがいの事をされた下士官がイジメ殺され問題になった事があった。SBU隊員のストレスマネジメントも喫急の課題であるだろう。

 そうは言っても、SBUの存在意義は、海上を通じて侵入して来る脅威の排除である事を忘れすてはいけない。

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