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非完全無欠
しかしながら、技術だけでは何ともならない事も存在する。現実の任務においては、予期していない様な事が沢山発生する。勿論それらの不測の事態に対応する為、様々な訓練が行われている。それでも尚、対応に困る事態は起こり得る。それは寧ろ自然な事で、いくらSBUが海上自衛隊唯一の精鋭特殊部隊であるとはいえ、完全無欠のロボットでもなければ、殺戮マシーンでもない。
出来るか出来ないかの判断は、現場指揮官の務めだが、早い段階で撤退する事があったとしても、その判断を非難すべきではない。SBUに任せて駄目ならお手上げと思われる位に信頼されれば合格圏内と言っても良いだろう。
何事も、無理は良くない。無茶をして多くの犠牲者を出す方が愚策でしかない。出来る範囲で自分達の努力目標に達成する、あるいは全力を尽くすのが、SBUの基本姿勢だ。始めから出来る事を限定してしまうのも考えモノだが、そもそも特殊部隊と言うモノは、任務において歩兵や通常戦力、通常ユニットで対処出来ない"特殊な状態"において威力を発揮する部隊である。通常戦力で、何とかならないならそこはスペシャリスト、プロフェッショナルの出番だ。プロフェッショナルに任せて駄目なら諦めもつくと言うものだ。
精鋭部隊とは言え、所詮人間の集まり。人間のやる事には限界がある。完全無欠と言う事もない。"特殊"とは、作戦や任務の状態を指しているだけで、そこに所属する隊員が"特殊"な訳ではない。あくまで、その前提がない事には、恐らく特殊部隊を語る事は出来ないであろうと思う。
残念ながら今の日本において彼等(SBU隊員)の存在を知る人間はかなり限定的な数しかいない。
