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黒い桜~The black cherry blossom ~  作者: 佐久間五十六


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守備代行業者≠自衛隊

 青野もまた同じよーな事を大黒三尉に相談していた。

 「一体、自分達は何の為にこんなきつい訓練をしなきゃいけないのですか?」

 「青野、お前も赤村と同じ質問を俺に相談するんだな(笑)何の為にってそりゃ我々を支えてくれる日本国民の皆様とそれをコントロールする日本政府の為だろう?」

 「赤村の奴も同じ質問を…。思考回路は一緒ですね。」

 「赤村にも伝えたんだが、これは自分のモチベーションの問題だ。」

 「そうなんですか?その為に死ぬ理由を見出だすんですか?あほくさ。」

 「大黒三尉の様に経験も知恵もあるならいいですけど。」

 「違うんだよな。青野、お前は分かってない。頭の良さなんて関係ない。」

 「じゃあなんなんすか?こんな鬼畜みたいな訓練ばっかされて。」

 「青野、お前にとって訓練の強度は重要じゃないんだよ。」

 「どういう意味ですか?理由もなくこんな訓練しませんよね?」

 「良いか、青野。理由がどうとか訓練がきついなんてのは、出来ない奴の屁理屈だ。」

 「そうは思えませんよ。ここは只の部隊じゃないんですから。」

 「ああ、そうか。お前に全部分かって貰おうとは思わないが、大切な事を教えてやる。」

 「防大を主席で卒業したクラスヘッドの貴方が言うのなら、大切なんでしょう。」

 「世の中には、俺達みたいに強く恵まれた人ばかりではないという事だ。守りたいものを守れない弱き者達がいるんだ。」

 「はぁ?それが特殊部隊と何の関係があるんですか?」

 「俺達は守れない弱き者達を守れる力がある。言ってみれば守備代行業者だ。」

 「それは可笑しいですよ。我々の雇用主は日本政府ですよ?」

 「ものの例えだよ!お前、案外頭堅いな。」

 「良いか、とにかく国家国民を守るのが第一任務だ。」

 「そんな事位分かってますよ。くどくど言われなくても。」

 「じゃあ答えが出たじゃないか?」

 「国家国民の為に、それがどうにも腑に落ちないんですよ。」

 「それに日本に軍事力があるのは事実上憲法違反な訳で、憲法と法律、政府の解釈変更で何とかしのいでる有り様ですよ?」

 「お前は随分左寄りっていうかなんつーか。それを考えて良いのは、日本政府だ。俺達自衛官が軽卒に判断して良い事じゃない。」

 「そこはあくまでシビリアンコントロールって訳ですね。」

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