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WAVE (女性海上自衛官)

 この日は、青野には倉岩海曹長が、赤村には大滝三曹が付き、SBUの詳しい概要説明がなされる日であった。二人は別室でマンツーマンで教わる事になった。

 青野は比較的スムーズにquestions and answersを行い、時間もかかる事はなく終わったのであるが、赤村はそうは行かなかった。その原因は指導教官の大滝三曹が美しいWAVE(女性海上自衛官)だからであった。

 赤村は、男ばかりの特殊部隊のイメージとは全くかけ離れた、年もあまり変わらない、この大滝三曹につい聞いてしまう。

 「あのー。今日ここでSBUについて講話を聞く事になっていたんですが、大滝三曹は何処におられますか?」

 「私がその大滝三曹だけど!!? まぁ、無理もないわね。私は女性海上自衛官初のSBU隊員だからね。赤村二士の面倒を見るくらい造作もない事だわ。ちなみに私は、愛って言うの。今日はよろしくね」

 一通り大滝三曹がSBUについて触れてから、赤村は何故この様な危険極まりない所に来たのか尋ねた。

 「どうしてSBU隊員に?」

 「別に大意はないわ。貴方が選ばれたように、私も適正試験に合格しただけ。それだけよ」

 「良いんですか? それで?」

 「いいのよ。私は女性だからって特別扱いされるほーが嫌なの。自分に譲れない所が有るとすればそこかな」

 「大して自分と年が変わらない女性がそれだけ覚悟を持ってやっているのは、正直関心します。でも、やっぱり男性と女性では、体の作りが違います」

 「だから何? 私は女性でもやれるって思ってやって来た。それだけよ」

 赤村は、大滝三曹という人間が、SBUという部隊の存在以上に謎めいたものである事を感じて、今日のSBU講義を終えた。赤村は隊舎に戻ると、青野にその事を話した。青野も驚いていたが、彼はこう言った。

 「大切なのは、男だろうが、女だろうがという事よりも、どこまで自分に負けずにいられるかなんじゃないかな?」と。

 まるで倉岩海曹長に諭されたような言い方に、赤村は嫌悪感を覚えたが、衝撃の大きさは彼の中でかなりのモノだった。

 「大滝……愛三曹。あ~あ!! モヤモヤする!!」

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