死への恐怖
特殊部隊だけでなく、自衛官ならば「死への恐怖」を乗り越えなければならない。人間にとって死ぬ事ほ、最大の恐怖である。これは一般人も皆等しく持っている感情だろう。一般人ならばその感情を乗り越える必要はないかもしれない。しかし、自衛官はそうはいかない。
いつ死ぬか分からない戦場に臨場する者として、この「死への恐怖」は、時として邪魔になる。だから乗り越えなければならないのである。具体的にどういう方法で乗り越えるのかは、何とも言えない。個人差はあるし、ある程度の"慣れ"が必要だからだ。
「死にたくない」が、
「いつ死んでも構わない」という感情に変わったならば、死への恐怖を乗り越えたと言えるかもしれない。その様な自覚症状があるならば良いが、それは自分で見つけて乗り越えなければならないケースが大半だろう。
死ぬ事は恐怖である。という大前提をきちんと理解しておくことも、重要である。その上で死と向き合わねばならない。その作業をしない事には、一流の兵士にはなれない。部隊の第一線で活躍する人間の多くは、兵士になってからなるべく早い段階でこの一連の精神プロセスを終えている。何故なら、第一線の現場には、常に死の危険性が潜んでいるからである。
この一連の精神プロセスが終えていなければ、たじろいでしまう事もあるだろう。特殊部隊員ならば、もっとその必要性が生じてくる。少なくとも、現場を経験した最前線の兵士はより、早い段階で死への恐怖を乗り越えておく必要性はあるだろう。
それだけ死への恐怖が邪魔をしてはいけない職種であり、その作業が欠かせない配置でもある。もちろん、実戦経験を重ねる事による"慣れ"でも構わない。死への恐怖を乗り越える為の最もポピュラーな方法が、"慣れ"から来るものであるからである。人によって差はあるが、きちんと一定の水準で、乗り越えている兵士がほとんどだ。




