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黒い桜~The black cherry blossom ~  作者: 佐久間五十六


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青野のアンチテーゼ

 青野はそれから自分がどうなるべきなのか、一人で、自問自答して毎日を過ごした。だが人に聞く事は極力避ける様にした。自分で答えに辿り着けなければ、意味がない事は分かっていた。それは本質的な問題でもあった。

 軍人とは? 国防とは? 自衛隊とは? SBUとは? それら全てに共通する答えに成りうるものであり、それは短期間で得られるものでは無いだろうし、もしかすると死ぬまで答えは出ない可能性もある。そうだとしても、青野はとりあえず自分の目の前の事を全身全霊でやってみる事にした。そうする事で何かが変わるかもしれない。そして栄田三佐の言っている事が本当に正しいのかも、判別する事が出来る。

 これはもはや、青野に対してのアンチテーゼのようなものであり、青野にとっては大きな宿題になった。少なくとも、自衛隊という組織が厳しいという事はよく分かった。上下関係もこれ程きちんとしていて、自分の思うようにはいかない。時には理不尽な事もある。それでも何故このような大事を大変な思いをして、やり続けるのか? という事を理解しなければ続かない職業だと思う。

 逃げ出すのは簡単だ。大変な事なら投げ出したって誰にも攻められない。しかし、自分だけは自分の事を見ている。どんな場所に行っても、自分から逃げる事は出来ない。だからこそ、その自分を納得させるには何をしなければいけないのか、という事が大切なのである。恐らく青野も、その様な作業の真っ最中であり、栄田三佐はそのきっかけを与えたに過ぎない。

 きっと栄田三佐は過去に同じ様な経験をしており、彼が同じ様にしたのは、大なり小なり有益なものがあるという確証があるからこそ、やっている事であり、栄田三佐には狙いがあった。

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