3点セット
航空母艦や原子力潜水艦が海上における覇権を握る様になってから、その勢力図は一変したのである。海軍における兵力の多くは空母や潜水艦に対処する為に割かれた。
米国が戦後冷戦を勝ち抜き更には、唯一の超大国と成り得たのは、その強大な空母打撃群と原子力推進の潜水艦及び空母の存在が欠かせない。戦艦が脅威だったのは今も昔の事である。何故原子力空母と原子力潜水艦が今尚海上戦力の中心にあるのか?
答えは簡単である。航空母艦も潜水艦も原子力という新たなツールを手にした事により、人類はこれに勝る効率の良い兵器に巡りあえていないからである。世界最強の米国海軍の3点セット、核兵器、原子力空母、原子力潜水艦である。
これらを日本は憲法9条により持てない。海上自衛隊と言えども、現状においては保有する法的な根拠は1つもない。では何処で存在感を見せるか?答えを示して考えられた結果から、誕生したのがSBUである。兵器を持てなくとも、高いスキルを持った人材を保有する事によって、3点セットに対抗する事は可能である。
勿論、人間だけの力では3点セットには遠く及ばない事も確かである。だとしても、日本にとって海上自衛隊が特殊部隊を持つという事は、多分に意味のある事であった。
潜水艦に突入することは物理的に不可能かもしれないが、大きな空母にSBU隊員を突入させて制圧する事は可能である。その存在は、原子力空母や核兵器に勝るとも劣らない。使用方法によっては、日本のシーレーン防衛に多大なる貢献をする事が出来るのであろう。




