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黒い桜~The black cherry blossom ~  作者: 佐久間五十六


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卒業せよ、体力・筋肉バカ

 魚住田一尉はこうも言う。

「体力や筋力はどうにでもなる。だが気力だけはどうしようもない。大きく伸びる人間は大きく伸びるが、伸びない人間は筋肉バカにはなれても、国防に相応しい戦士になる事は出来ない。気力次第では、化ける人間もいるがそういう人間はそこまで多くいる訳ではない。だとすれば気力の鍛え方を学ぶ必要があるのかもしれないが、今の自衛隊では恐らくそんな余裕はないのだろうと思われる。」

「つまり、気力の部分は個人任せになっているんですね?」

「ああ、気力のある自衛官を育てる事は、自衛官の成長だけに関わらず、自衛官としてのキャリアの充実に繋がる。」

 ハイテクな兵器を操るのは生身の人間である。感情もあれば思考もする。だからこそ、ロボットやドローンには出来ない仕事もある。ロボットに戦闘の全てを任すのはもう100年は先の話だろう。

「自衛隊員全員が、筋肉・体力バカと言われないように、教養も身に付ける事が重要だ。だが、必ずしもそうなっているかと言えば、中々難しく現状では防大出身の幹部と高卒の二等海士では、教養に著しい差がある。そう言う自分も入隊したばかりの頃は大したことは無かった。同僚と競い合い、先輩にいじられ、鍛えられ今の自分がいる。きっとこれからの自衛隊で長く活躍するには、体力・筋力・知力と更なる訓練や鍛練が必要なのであろう。」

 自分達はとにかく、国防という見えない敵を背に見えない脅威と戦う時代だ。ウィルスによるバイオテロやサイバー攻撃はその最たる物だ。自衛官とはそんな存在なのだ。と魚住田一尉は言う。最強のSBUでトップにいる隊員でも、魚住田一尉の意見には重く響くモノがある。

 SBUだろうがどの部署だろうが、関係なく使える理論である事は確かである。一昔前は体力・筋肉バカで良かった。だがこれからは下の階級の隊員も、それではいけないと警鐘をならす魚住田一尉なのである。

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