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黒い桜~The black cherry blossom ~  作者: 佐久間五十六


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東日本大震災で自衛隊が得たモノ

 トモダチ作戦を指揮する一方で、ウォルシュ提督は用心深くこの中国の動きを睨んで、整備途中の原子力空母ジョージ・ワシントンとその随伴艦を動かしたのかも知れない。その辺の匙加減は米国の方が1枚上手だった。

 自衛隊員総数は当時約23万人。そのうち災害出動した自衛官は約10万人のかつてない規模であった。自衛隊員の中には自らの家族が被災者となったにも関わらず、粛々と救援活動に参加し任務を続行した隊員もいた。

 例えば陸上自衛隊では、190人の隊員の家族250人以上が死傷し、61人の隊員の家族74人が行方不明となっていた。海上、航空各自衛隊もあわせると、隊員の家族400人以上が死傷して、110人の家族が行方不明となっていた。(2011年6月時点)地震発生3日後の3月14日。北澤俊美防衛大臣は、当時の君塚栄治東北方面総監に、陸海空3自衛隊の部隊を一元的に指揮する災害統合任務部隊(JTF)の指揮を命じた。知っての通りこのJTFによって日本史上最大級の人員及び人命が助かったのは言うまでもない。

 この様に自衛隊の任務の対象が日本を支配しようとする勢力だけでなく、激甚災害になることも最近では増えてきた。SBUの活動とは無縁かと思われがちだが、災害時こそ平素より実働部隊は気が抜けない。震災直後のウォルシュ提督の小技がなければ、中国海軍の大規模侵略の可能性もあったかもしれない。そういう意味では、不謹慎だが良い訓練にはなった。

 栄田三佐の言う通りこれだけの国難に、民間会社では何も出来ない。栄田三佐の言っている事は嘘ではない。と同時にこの東日本大震災で10万人もの部隊が動くという、自衛隊創設以来過去に例を見ない作戦を無事に大きなトラブルなく無事故で遂行出来た事は、自信を持って良いだろう。日頃の訓練や鍛練の賜物だと言える。この経験を是非とも未来に受け継いで貰いたいものである。


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