トモダチ作戦
ここで、自衛隊創設以来の国難である東日本大震災の巨大オペレーションを、時系列で見ていきたい。
2011年3月11日14:46に発生した巨大地震をうけて、14:50防衛省は災害対策本部を立ち上げると共に宮城県庁に陸上自衛隊東北方面総監部から、連絡要員を派遣。15:01以降には状況把握の為のヘリコプターや航空機を順次発進させ、16:10には25機を飛行させていた。
これと並行する形で、統合幕僚監部は在日米軍とコンタクトをとり、折木良一統合幕僚長と、バートン・フィールド在日米軍司令官(空軍中将)が電話で会談。同日夕刻には、防衛省地下の中央指揮所オペレーションルームに「日米共同調整所」を立ち上げ、在日米軍から連絡官を招いている。
12日、バラク・オバマ米合衆国大統領が、管首相に電話で支援を約束したのを受けて、横田基地に米軍が、Joint Support Force司令部を立ち上げ、以下(JSF)日本支援の為の「トモダチ作戦」を開始すると、その司令部には陸上自衛隊の陸将捕が、日本側の連絡官として常駐する様になった。
米陸、海、空軍と海兵隊からなるJSFの司令官には、米太平洋艦隊司令官のパトリック・ウォルシュ海軍大将が任命された。ウォルシュ海軍大将は3月19日には横田基地入りしている。
折木良一統合幕僚長が会談したフィールド在日司令官の方はJSFの副司令官に任命された。トモダチ作戦の司令官が在日米軍司令官ではなく、太平洋艦隊司令官になったのは、階級が関係していたものと考えられる。
トモダチ作戦で米軍は、韓国との合同演習に参加する為、太平洋を横断中だった原子力空母ロナルド・レーガンの艦隊を、仙台沖に差し向けた他、東南アジアに展開中だった揚陸艦や第7艦隊指揮艦を日本に向かわせた。
地震と津波で道路や鉄道が寸断され、空港も破壊された東北地方には、洋上の艦隊をペースとする海軍や海兵隊のヘリコプターによる救援や、揚陸艦をベースに陸地に上陸出来る海兵隊による、救援が適していた。これらの軍艦や艦載ヘリコプターの所属は第7艦隊である。
第7艦隊は、ハワイの西からインド洋まで広大な海域を担当している艦隊で、在日米軍には、属していない。




