プライド
「でもよ、毎日訓練漬けだけど充実してるよな?」
「ああ。やる事無くてウダウダしてるよりはよっぽどマシだ。」
「普段は嫌になるもんなんだろうけど…。」
「まぁ、これだけの質と量を課されると嫌になっちゃうよな。普通は。」
「俺達、感覚が麻痺っちゃったのかもな?」
「最初は嫌になるけど、慣れるとやみつきになるもんなんだな。これが。」
「人間の体力は底が知れないからな。」
「階級が上がるのもたまんねーな!」
「俺は三曹に上がれるとは思ってもみなかったよ。」
「SBUでは、もう充分下士官も士官も足りてんだがな。」
「幹部の考える事はよく分からん。」
「他部隊への興味も無い訳じゃない。」
「まぁ、今やれる事をしっかりやるというのが大切だ。」
「若い今しかやれない事もあるからな。」
「確かにSBU隊員の平均年齢は若いな。」
「今頃気付いたのかよ(笑)」
「それだけ他人の事が見えてないのかもな。」
「他人が普段何をやっているかなんて分からんけどな。」
「冷静に考える事も重要だな。」
「誇りやプライドに気付くのもそういう時だな。」
「俺達が忘れちゃいけない基本だな。」
「その基本があって初めて、身に付けた技能が役に立つ。」
「どんなに優秀でも、基本がなってない奴は駄目だな。」
「SBU以外の部隊にもそういう奴は多いよな。」
「悲しいもんだよ。国防を任されているのに。」
「そういう奴は自覚ないんだろうな。」
「本当は、それじゃあ困るんだろうな。きっと。」
「国防はプライドを守る事でもある。」
「恐らくそういう教育は、足りてないのかもな。」
「あんまりそういう教育を、押し付けるのもいけないと思うがな。」
「自律。自尊心。って奴が重要なんだよ。」