エゴイズムと正義
「こんなに努力したのに…。とかそういう事じゃないんだよな。」
「結果が全ての世界だから仕方無いよな。」
「俺達がやっている事は全てオールオアナッシングなんだよ。」
「100点か0点かのどっちかしかないって事だな。」
「それは確実に言える事かも知れない。」
「プロセスが大事だって言うけど、俺達はそうじゃない。」
「全ては結果論に過ぎないからな。」
「作戦が成功出来なければ、全て失敗だな。どんなに健闘してもだ。」
「要求されてるレベルがハイレベルだからな。」
「実力がついてくると、見えなくて良い世界が見えてくる。」
「体力がついてくると、見えなかったものが見えてくる。」
「日々の訓練はキツいけど、充実してると感じる。」
「その実力を実戦で、試したいと思う事がある。不謹慎だがな。」
「それはあるな。でも、実戦なんて無いに越した事はない。」
「俺達って、何の為に存在しているんだろう?」
「難しい事はよく分からないけど、抑止力なんじゃないかな?」
「SBUって何でも屋(便利屋)のような気がする。」
「まぁ、特殊部隊なんてそんなもんだろ?」
「もし仮に今、任務に行くとしたらどうする?」
「そりゃあ腹をくくるしか他に方法はないだろ?」
「そうだよな。人間いつしか死ぬんだし。」
「でも、国家の為に死ぬつもりは無いよ。」
「その点は俺も同意だ。俺も国家の為に死ぬつもりは無い。」
「じゃあ何の為に、死ぬのかって事だよな。」
「自分の為に…。だと俺は思うな。今の自衛隊員の中で、本気で国家の為に死ねるなんて思っている奴なんて、ほんの一握りだろ?」
「そうだな。多くの自衛官は自分の為に戦ってる。」
「国の為、誰かの為、なんてそんなの嘘八百だ。」
「自分の為に戦う事は悪い事じゃないぜ。」
「エゴイズムと正義をごっちゃにしちゃいけないよ。」
「自分の為にすら戦えない奴が、他の人間の為に戦える訳ないだろ?だから、まず自分の為に戦うんだ。それが結果として、日本を守るという結果にコミットするんだ。」