辞める人間のマナー
辞める人間がいる一方で、高い意志を持って任務にあたる人間もいる事を忘れてはならない。辞めるのは個人の意志だから、それは仕方の無い事である。ただし、残された人間がその穴をカバーしているという肝心な事を忘れてはいないだろうか?
自分が辞める事によって部隊に迷惑をかけるかもしれない。と、少しでも躊躇う気持ちがあるならば、辞めない方が良いかもしれない。無論、誰かしらが、その穴を埋めているからこそ、辞める人間がいても、問題なく辞める事が出来るのだが、それはあくまで表面的な事に過ぎない。自衛隊は近年人手不足に悩まされており、こうした隊員を作り出さない努力はしている。
辞める人間が辞める事に頭が一杯になってしまうのは、仕方の無い事だ。しかし、少しでも残される者の事を考えるのならば、最も影響が少ない形で辞めていくのが、礼儀というものではないだろうか?
自衛隊は、前述の通り入れ替わりの激しい職場である。幹部自衛官である三尉以上の者は転勤が多いし、手となり足となる兵隊達も入れ替わる。こうしたシステムを良しとしたのは、戦後の占領政策の名残とも、言える。現状、この下士官固定型システムは何の問題なく運用されている。
しかし、長い目で見ていくと良いか悪いか、という視点は必要になってくる。現状で問題なく運用されていると人は、すぐに安心して思考を停止してしまう。それでは日本の安全保障はいけないと思う。いくら、現場が気合いを入れて頑張っても、肝心の日本国民の側の想いのベクトルが、異なる方向を向いていたのでは、日本の安全保障は片手落ちになってしまう。それで良いのか悪いのか、現状まずはそこから議論をし、有事に備えるべきだろう。