射撃のセンス
赤村も青野も、射撃に関しては全く非の打ち所はなかった。SBU隊員の多くが、優秀な射撃能力を持っているが、彼等は突出して高い能力を有していた。射撃が得意だったのは、やはり天性のセンスによるものが大きいのかもしれない。
多くの人間は自衛隊に入隊するまでは、銃を触った事もなければ、実弾射撃など行う経験をする事はまずない。日本は銃規制がきちんとなされている為に、アメリカの様に物心つく前から狩猟で銃を使用する事はまず有り得ない。
つまり、自衛隊に入隊してから射撃の訓練を始める者がほとんどであり、差がつくのは、センスがあるかないかという事になる。自衛官たる者、射撃の1つや2つ出来て当然なのかもしれないが、これはセンスによるものが大きい。
勿論、入隊後の努力によってある程度の技能は習得出来るだろう。しかしながら、頭角を表す人間には、必ずと言って良い程センスがあるのも、事実である。自衛隊では、入隊後の教育課程で、陸海空を問わず必ず実弾射撃訓練を行う。まずはそこで、自分にセンスがあるのか無いのかを見極めてもらい、進路を決めてもらう。進路を間違わない為にも、これは重要な事だ。
センスがあるのか無いのかに関わらず、小銃を扱う技術、つまり射撃能力があるかないかという事は、直接戦闘に影響がある事である。それだけに少なくとも、非常時にはある程度使える射撃能力位は身に付けておいてもらいたいものである。どんな職種にあっていたとしても。