銃剣道
小銃の扱い方で基本となるのは、日本が独自に生み出す事に成功した"銃剣道"がベースとなる。銃剣道は、明治時代初期に誕生した、小銃を用いた格闘技術の事である。
訓練では、"木銃"と呼ばれる銃に似せた木の棒を用いる。この銃剣道のお陰で日本の白兵戦能力は大きく向上して行った。日本陸軍の伝統であった銃剣突撃という戦法は、卓越した銃剣の力があったからこそ御家芸になったのである。
清(中国)や当時世界最強のロシア陸軍を破った1つの要因として、銃剣道の存在は無視する事は出来ないであろう。太平洋戦争でもそれは、変わらなかった。日本の白兵戦能力の高さは、"バンザイアタック"として、米軍を脅かした。敗れはしたが、それでも今尚、銃剣道は防衛大学校の必修科目の1つである。
銃剣道の基本は、突く事である。小銃に着剣して、突撃を試みる為に、切るのではなく、突き殺すのが銃剣道の大原則である。多くの人間に、平均的な力を持たせる為に、この銃剣道の存在は抜群に効果的であった。近代戦争は一人の剣豪よりも、100人の汎用兵士を求めた。実力を平均的にした事により、部隊の戦力が確実に計算がたった。
その伝統は、今尚自衛隊に引き継がれている。という事は前述の通りである。銃剣道という基本技能を身に付けて、初めて小銃を上手く使う事が出来る。基本の動作や分解・結合、そして整備までの一連の流れが、達成されてようやく小銃を一人前に扱える事になる。それも事実だ。