ハイポート
自衛隊で使用するほとんどの小銃は10~20㎏という重さがあり、かなり重量感があると言える。その分腕力が必要であり、相当な力が無ければ小銃を長時間持って活動するのは難しい。
特殊部隊専用のX式小銃は、多少なりとも軽めに作られているのだろうが、それでも長時間持って活動していると、相当な疲労感があると言える。では、自衛官達はどの様な訓練をして、その腕力を鍛えているのか?それを可能にする訓練をハイポートと言う。ハイポートとは、銃を担ぎ上げて走る陸上自衛隊では有名な訓練がある。
海上自衛隊の他部隊がハイポートをするのはまず見た事が無いが、SBUではこのハイポートを一心不乱に、小銃を担ぎ上げて走りまくる。そうやって、ハイポートを重ねて行くうちに、いつの間にかSBU隊員は小銃の重さに慣れる。まるで何も持っていないかの様な感覚に陥ると言う。
そこまでくればSBU隊員としては、一人前と言える位の成長を遂げている。体力面でのハードルが越えられない為に脱落してしまうSBU候補生は、それこそ星の数いると言っても、過言ではないかもしれない。
SBU隊員として成長していける要素の1つとして、体力は欠かせないと言えるだろう。若い隊員ならば、そのくらい簡単だろうと思うかも知れないが、SBU隊員に求められる体力レベルと言うのは、想像を絶するものがあると言える。
そして、その厳しい規格にぴったりと合致した人間だけが、黒い桜の部隊章を付ける事を許される。その人間の集まりが、SBUと言う海上自衛隊最強の部隊が構成される。