信頼関係
部下の育成は長期間に渡り持続的に行われて、初めて意味を為す。特にSBUのような精鋭集団ともなれば、受けた教育期間と経験の豊富さが、そのまま実力に直結する。
確かに生まれ持ったセンスや才能も大事だが、それらが花を咲かす為には、きちんとした教育と経験が必要になってくる。通常は2~3年程で任期制の自衛官ならば一任期を終えてしまう。そこで、自衛官を辞める人間もいるが、SBUにおいては、多くの任期制自衛官が、3曹に昇任を果たし部隊に残る。
そうやって長い間年月をかけて、じっくりと実力を蓄えて行く。技術の継承と熟成は部隊にとって必須であり、精強な部隊には必ず欠かす事の出来ない、要素である。
自衛官として、その教育期間は数ヵ月で終わりかもしれないが、SBU隊員としての教育期間は、SBU隊員であり続ける限り終わらない。自分に、部下が出来たとしても…である。
部下の成長は上官の成長にも繋がる。お互いに高めあう事が、理想的な上官と部下の関係に繋がるのは良い相乗効果だ。勿論、何度も言う様だが可愛いと思うのならば、その愛の100倍の厳しさは必要になってくる。時には優しく時には厳しさを見せる。
SBUという部隊の特殊性を考えれば、自ずと並の上官と部下の関係では、通用しない事は分かる。部下は上官を信頼し、上官も部下を信頼する。お互いの信頼関係が、部隊をより精強な部隊に押し上げる。それだけはSBU部隊に顕著な特徴である。