旗の意味
「日章旗を背負って戦う事の意味…ねぇ？」
「正直そういう意識ってあんまり無いよな。」
「そうだな。どちらかと言えば背負ってって言うよりは抱えてるって感じだな。」
「日章旗を抱える…ねぇ。他の隊員もあんまり意識してないかもな？」
「確かに普段の話題にはならねーからな。」
「そんなところまで頭まわらねーよ。目の前の任務で手一杯だっつーの！」
「でも改めて言われると大切な事だよね。」
「何の為に戦ってるかっつー答えもそこにある。」
「深く考えると見えてくるものもあるね。」
「いつ死んでも良いように腹くくれるしな。」
「まぁ、見返りを求めて任務に参加してる訳じゃねーからな。」
「でも国の為に死ねるなんて本気で思っちゃいないよ。」
「それが俺達、いや俺の本音かもな。」
「もっと向き合わなきゃいけないのかもな。自分とも。」
「足りてないんだね。そういう所がさ。」
「ナショナリズム的な要素が強いのも事実だな？」
「SBU隊員ってだけで利用されちゃいけないよな。どんな時も。」
「日章旗の重さなんて考えなくても重いものだろう。」
「日本国があり続ける限り日章旗の重さは変わらないだろうな？」
「隊員のモチベーションの為に利用するのはいかんがな。」
「日章旗を背負って殉死する事が出来るか？」
「それとも自分の命が惜しくて任務毎投げ出してしまうか？」
「それに負けずに任務遂行を選択し続けるのが、俺達の役目なのかもな？」
「現場に任される裁量の多さはSBUがダントツ1位かもな。」
「そんな事良いながら、俺は日本の為、日本国民の為に死ねるぞ！」
「ああ俺だって、そうさSBUにいる全隊員がそう思っているよ！」
「そうじゃなくちゃ、あれだけの訓練には、耐えられない。」
「生き残るのに必死なのさ。ここ以外に俺達の行く所なんかないからね。」
「旗の意味なんて知るか。それ以前に俺達は、死に物狂いで訓練に臨んでるんだ！」
「もっと強くもっと賢く、そしてもっと勉強しなくちゃならねーからな。もっと階級が上がれば旗の意味を知る日が来るかもな。」
