無人兵器では出来ない事
井口二佐は言う。
「旗は、軍人にとっては我が身同然であり、どんな困難があっても敵に渡す事があってはならないモノである。旗=自国である。SBU部隊が日の丸(日章旗)を背負って任務を行う様な事は少ないかもしれないが、心の中には、きちんと旗がひるがえっている。それは、敵勢力も同じ事が言える敵勢力も国旗やバトルフラッグを持っている訳で、お互いにお互いの旗には手を出してはいけないという、暗黙のルールが存在する。軍人ならば、やって良い事とやってはいけない事の分別が求められる事は、言うまでもない。日の丸(日章旗)を持っていようが、持っていまいが、自分達の行動理由は、全て日本の為にあるという部分に集約される。只強ければ良いという訳でもない。只強ければ良いというならば、最新のAI技術を用いた最強の無人兵器を、作れば良いだけの事である。しかし、実際の作戦で生身の人間に求められるのは、最強の無人兵器ではカバー出来ない何かが有る為であり、その何かを人間だけが持っているからこそ、戦争の主役はまだ人間なのだろう。大切な事は、国を国家の威信を背負っているという、自覚があるのかと言う事だろう。SBU隊員である前に俺達は海上自衛官であり、日本人である。その事を忘れるな!」
無人兵器には、決して代用する事の出来ない何かがあるからこそ、こうして我々は訓練をし、有事に備えている訳である。無人兵器やハイテク技術がいくら進化していくとしても、生身の人間の力は必ずどこかで必要になってくる。と言う事を井口二佐は、言っている。