国民の付託
「お前に任せても大丈夫。」
と、言われるのは、最大級の信頼と実力が認められて、初めて言われる台詞である。そこに至るまでは、かなりの経験と努力を積み重ねなければならず、容易な事ではないのは、確かである。
しかし、多くの幹部自衛官は、SBU隊員ではなくとも、その壁を乗り越える。SBU隊員が特別なのは言うに及ばず、より他の部隊よりも厳しい事は、覚悟の上であろう。
しかしながら、実力がついただけでは簡単には認められない。これは以前から口酸っぱく言っている事だ。大切なのは、実力だけでなく信頼に足る実行力と決断力のある隊員であり、そういった人間が部隊を率いる事が、日本人の国益に直結すると言える。
国民は、直接的には自衛隊の人事に関わる事は出来ない。だからこそ、制服組と背広組はきちんと責任感のある人事を果たす義務がある。国民の付託に答えるとは、そういう事だ。
責任感の欠片もない人事を繰り返す様では、いつしか負のスパイラルに陥って行くのは、目に見えている。そうならない為に現場を任される自衛官は、もっともっと真剣に危機感を持って任務にあたるべきだと思う。