一人前のSBU隊員とは?
階級が上がっても、SBUの場合は必ずしも一人前として認められる訳ではない。一般的な自衛官ならば、階級が上がればその分責任が増加していく事になるが、SBUは30人の小隊が3つの100人にも満たない少数精鋭部隊である。
責任は増さないが、その分個々の実力を求められる。自分の実力を存分に示せば、階級の低い自衛官でも上級自衛官であっても、関係なく評価される所である。個人の努力で道を切り開きたい人間にとっては、最高の場所と言えるのかも知れない。
一人前の規準というのもSBUの場合は、相当に高いハードルが儲けられており、そこをクリアするのは、半端な努力では不可能である。その分そのハードルを越えた時の達成感の様なものは、大きいのかもしれない。
そして、何よりも自分は世界最高の部隊の隊員の一人であると言う自覚も、出てくる。自分に付与された任務の重さを考えながら、SBU隊員として向上心を持って行く。
そうして初めて一人の海上自衛官として、周りから評価される様になる。だが勘違いしてはいけない。人に評価される為に、出世の為に命をかけている訳ではない。各SBU隊員の持っている崇高な理想の為、あるいは目的の為に命をかけている訳である。
死ぬかもしれないという恐怖に打ち克つ為には、そうした高いモチベーションが必要になって来る。SBU隊員として一人前になるという事は、思っている程簡単で単純な事ではない様だ。