ネガティブリスト
ただ現状、今の日本がやれる事とやれない事は、はっきりしている。それは、つまり現役の海上自衛官がやれる事にも限界があるという事を意味する。大前提として、外交による努力は持続的に続ける事というものがある。
その工夫が足りていなかった事も、日本の戦後史の中にはある。その反省を踏まえるのは、政治家側の仕事である。では、現場の自衛官は何が出来るのか?
兵力がどうとか、一騎当千の実力があるとか、そういう議論の前に、日本の自衛隊が何処まで戦えるのかという事は、情報として知っておくべきではないだろうか?
SBUも同じである。海上自衛隊の一組織として、何が出来て、何が出来ないか?そんな事も分からずに、任務など果たせるはずもない。仮に果たせたとしても、結果としては不充分なものになってしまうのは確かである。
軍隊の常識として、ネガティブリストは外せない。ネガティブリストとは、やってはいけない事だけを予め示して、後は部隊に任せて行動するというものである。
ところが、日本の自衛隊はあろう事か警察官職務執行法にのっとり、警察官と同じポジティブリストで動かなければならない。只でさえ、行動に制約の多い自衛隊にとって、防衛出動が内閣で閣議決定されて初めて、自衛隊は警察官の変わりに治安維持にあたれるし、武器も使える様になる。
まずは、そういった自分達の国の不利益になる事を排除し、見直すべき所は多い。確かにその過程で憲法改正が必要ならば、現状を打破する為に国民的議論を深める必要もある。
日本政府は、自衛隊員達がおかれた状況の中で最大限にパフォーマンス出来る状況を作り出せる様に体制を整備するべきである。そして、自衛官にはポジティブリストではなくネガティブリストで行動出来るように、日々の訓練をすべきである。