清廉潔白
青野にもモットーがあった。清廉潔白という四文字熟語である。青野は、自分の事を立派な海軍軍人であれと日頃から意識していた。疑うべき事など何もない誠実な人間であれと言うのが海上自衛隊にも伝承している。
令和の時代になっても、海上自衛隊は帝国海軍の伝統をモットーとしている。データはないがシーマンシップを教育される多くの海上自衛官は、自分が海軍軍人であると考えている。
海上自衛隊員であるかと言う認識を持っているかと言う違いは微々たるモノであると考えてしまいがちだが、実は物凄く大きい。
排他的経済水域世界第6位の日本の海を守るのは、海上自衛隊であるが、現在の法体系では、海上自衛官は国家公務員であり、日本海軍の時代とは違い正式な軍人ではない。例え、戦闘や事故で亡くなっても、全て公務中の"事故"として、処理されてしまう。命を懸けて任務にあたっている人間が自分達がそのような公務中の事故で扱われると知れば、当然部隊の士気は落ちてしまう事になる。
自衛隊員が、軍人ではないと言うのは最早詭弁でしかない。士気の低下はまだしも、名誉の戦死すら、認められないというのは、民主主義を自認する資格は日本にはない。正に冒涜以外のナニモノでもない。日本人は戦争・軍人アレルギーに犯されている。それを払拭し、日本人には今自衛隊を軍隊と認める憲法改正する位の覚悟が問われているのではないか?