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未知なる領域への挑戦

 リムパックが終了してから、二週間後の事だった。井口二佐から、SBU全隊員に御触れが出た。内容は、体重5㎏減、体脂肪率10%以下という厳しい数値目標だった。

 SBU隊員は軒並しまった体をしていたが、適度に肉がついており、非の打ち所の無い体つきをしていたが、決して病的な肥満者はいない。だが、井口二佐は、SBU隊員に肉体改造を命じた。

 小隊長命令とあれば、各隊員も無視は出来ない。普段より1~2㎞多く走ったり、泳いだり、食事制限をすることで、無理の無い範囲で隊員達は努力した。そして、井口二佐の命令の凄い所は、その体型を維持させる事である。だが、体重5㎏減体脂肪率、10%以下をキープしなければ意味はない。一時的な体重減少では、只のダイエットにしかならない。

 それでは精強な部隊の隊員としては物足りない。変われる所から変わる。それが井口二佐の出した答えである。理想の体型というよりも、戦闘に支障の無い体作りと言えば良いだろうか。

 こうして体を絞ったSBU隊員は以前よりも、明らかに身軽になった。それだけではなく、不要な贅肉が減った事で、シャープになり、体力や筋力も上昇した。また、数値目標がある事で、隊員の士気も上がり良いことづくめだった。

 キープしてこそ本物。という井口二佐の考え方は、SBU内で浸透していく事になる。しかしながら、これはまだ、SBU改革の氷山の一角に過ぎなかった。井口二佐は、本気でSBUをシールズを越える海上特殊部隊に仕立てあげるつもりであった。それは、戦後日本にとっても、海上自衛隊にとっても、未知なる領域への挑戦であった。

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