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目指すのは日本の海の防人

 トールゼイ大佐は、井口二佐にこう言う。

 「シールズを目指した所でSBUは、我々を越える事は出来ないぞ?」

 つまり、目標をシールズに設定してもゴールにしか成り得ない。SBUがゴールに着く頃にはシールズはその先を行っていると。だからSBUは、シールズを模範とするという曖昧な目標設定になってしまったのである。シールズの二、三段上の目標値を設定して、乗り越えなければシールズを越える事は出来ないと。井口二佐は、そうトールゼイ大佐に言われ、返す言葉を失った。

 井口二佐は、自分達のやっている事を否定されただけでなく、そのハードルの高さに戦意喪失してしまったからである。無理もない。トールゼイ大佐はこうも言う。

 「井口二佐、君が目指すのは我々ではないはずだ。日本の海の防人の精鋭部隊となる形を示したいだけだろう?それが君のやるべき事なのではないか?」

 井口二佐は、はっとした。確かにネイビー・シールズは世界最強精鋭部隊の1つかもしれない。しかしながら、SBUが無理をしてシールズの二番煎じをする必要はないのである。寧ろ、シールズには出来ないオリジナリティ溢れる技術を身に付ける方が日本の為にもなる。

 強いという事は、国を守るという事は、決して強い部隊のマネ事をすることではない。井口二佐は、新境地を開拓したような気分であった。

 そして、日本に帰る日があっという間に訪れた。井口二佐はトールゼイ大佐に一言「勉強になった。次に会う日まで進化して、大佐の元へ戻ってきます。」と、言ってアメリカ・ハワイの訓練基地を出港して来た。SBUの小隊長として、井口二佐は何をしなければならないのかを悟った様だ。

 各隊員も、それぞれ収穫があった様である、それぞれ目指すのはシールズを越える事。何はともあれ、実りある演習になった様であり、何よりだった。こうした海外部隊との交流は、普段中々する事が出来ないので、こうした少ないチャンスを、力に変えていく事も力を開花させて行く為には必要不可欠なものである。

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